内容説明
海外工作員とそれを追う警視庁のスパイハンター―その知られざる攻防は、いかにして行われているのか。ある警部の半生は、まさに「公安」「外事」の生きた歴史だった。70年代に日本を震撼させた連続企業爆破事件を皮切りに、過激派、右翼と対峙し、第一線でKGBなど外国課報機関や国際テロリズムと闘い続ける。赤裸々に綴った過酷な捜査の成功と失敗。
目次
新米巡査
地獄の上野警察署
連続企業爆破事件
イリーガルスパイ
篭絡されたCIA女性職員
基礎班の捜査線上に浮かんだ米国人
北朝鮮工作員の協力者
機動隊員に変装
内閣調査室国際部
ソ連スパイとの闘い
右翼対策・過激派対策への現場へ
国際テロ班
協力者工作
警部昇任と自律神経失調症
恋人
退職
著者等紹介
泉修三[イズミシュウゾウ]
1944(昭和19)年、東京生れ。都立両国高校、東京都立大学法学部を卒業後、’67年に警視庁へ入庁。亀有署青戸派出所勤務を振り出しに、主に公安部外事一課で外国謀報員の摘発、国際テロの防止に携わる。この間、内閣調査室国際部へ出向し、各国大使館、機関との情報交換にもあたった。’96(平成8)年に警視に昇任し、同年退職。以後、予備校の英語講師、複数の企業で相談室の統括、法務担当、顧問などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おいしゃん
23
やたら自信満々な著者の書きっぷりから、単なる自慢話と感じる人も多そうだが、異動の多い刑事の世界においてどんな職場でもやりがいを見出し、実績を積み上げる姿勢に見習う部分は多い。2021/12/26
Ikuto Nagura
3
元公安警部の手柄話。「仕事の核心に突入すること、そのために個人として最大限の能力を発揮する」という職務に対する職人魂は、どんな仕事でも見習うべき点を感じる。でも「多くのまじめな警察官をブジョクするつもりはないが、ときには気狂いじみたほど鋭利で高度な頭脳が必要だと、私は言っているだけである」と、自己を持ち上げ他者を見下す態度には、病的な影響を感じずにはいられない。また、著者が5年半勤務した“警視庁田んぼ警察署”の徒歩圏で生まれ育った自分には、都落ち感覚で働く警官に治安維持を委ねてたというのが何よりショック。2015/03/04
NaCl
2
面白かったけど、全編通して周囲の人間すべてを馬鹿にしながら自慢話を織り交ぜる語り口が死ぬほど不快だった2014/12/27
うたまる
2
面白い!印象深いのは、①日本に赴任するソ連大使館員はまず府中のゾルゲ死刑囚の墓に参拝していた、②騒音防止条例は「政治的主張に対しては適用しない」という国会の付帯決議があるため右翼街宣車を取り締まれなかった、という二点。どちらも歴史の綾を感じさせられる。さて本書のもう一つの魅力が、著者の自己陶酔っぷりが尋常じゃない点。隙あらば自慢話を捩じ込んでくる。ここまで貫徹されると逆に清々しいのが不思議……「自分で言うのもおかしいが、不可能を可能にした、こんな離れワザをやってのけるのが警視庁にいったい何人いるだろうか」2012/07/29
雪の行者山@加療リハビリ中
1
これであのエラそうな語り口と自意識過剰がもう少し影をひそめてくれたらなぁ。内容自体は、ゴルゴ13だったり「相棒」的なものもあるし面白いんだが…2015/12/30
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