内容説明
昭和23年、進駐軍兵士と日本人女性との混血孤児を救うため、GHQと対峙し、児童養護施設エリザベス・サンダース・ホームを創設した沢田美喜。三菱財閥・岩崎家の令嬢は、なぜ養う子供のミルク代にも事欠く生活に人生を捧げたのか。その決意に秘められた「贖罪」の思いとは何か…。恐れず怯まず進駐軍と戦い、たった一人で「戦争の後始末」に立ち向かった女性の愛と情熱の生涯を描く!
目次
第1章 鐘をつく男
第2章 進駐軍との孤独な戦い
第3章 岩崎邸の令嬢
第4章 女彌太郎と岩崎と戦争と
第5章 五番街の聖トーマス教会
第6章 「サワダ・ハウス」と「本郷ハウス」
第7章 米情報部とサンダース・ホーム
第8章 澤田信一の告白
第9章 マヨルカ島
著者等紹介
青木冨貴子[アオキフキコ]
1948(昭和23)年東京生れ。作家・ジャーナリスト。’84年渡米し、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。’87年作家のピート・ハミル氏と結婚。ニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
28
三菱創業者の孫娘。戦後、米軍兵士との間に生まれ、捨てられたり、行き場のない子供達のため孤児院を立ち上げた美喜。設立に関しGHQとやりあった美喜とその人生を追う。イマイチの内容。2019/06/13
るい
16
期待していた内容とは随分かけ離れていて途中で挫折。。。 立派だなと尊敬はするけれど、共感できず、なんだか遠い世界の出来事のような、他人事のような。2018/11/07
駄目男
6
エリザベス・サンダース・ホームとは昭和23年2月1日に神奈川県大磯町に沢田美貴によって作られた児童養護施設のことで、進駐軍の落し子として生まれた子供たちを拾っては育てた施設で、占領下とあって、これがなかなか容易なことではなかったらしい。救済事業を始めるインスピレーションを与えたのは英国の『ドクター・バナードス・ホーム』の孤児院見学で、初めての入所者は楠木正成の銅像の下に捨てられていた子を拾ったことに始まり、以来、次々に子供を拾っては施設で育てたその数、約2000人。これはもう大変な事業だ。 2018/10/28
リョウ
5
岩崎家の子女として何不自由なく育ち、先後はアメリカ兵と日本人女性との間の望まれない子供たちのための施設を作った沢田美喜。GHQとどのようにして戦ったのかはあっさりと終わり、岩崎家の話の分量が多く、沢田美喜という女性については何だか良くつかめないまま終わってしまった。いろんな側面があり、一言で言い表すのは難しいのだろう。2018/04/25
りんふぁ
3
岩崎弥太郎の孫。戦ったというよりは、守ったの印象。敗戦後の混血児を庇護し大磯にホームを設立。いまは混血児だけでなく、庇護の必要な子もいる児童養護施設になって残っているという。2019/09/03