内容説明
湾岸戦争後、中東は暫し「和平の時代」へと移行する。だがその陰で、新たな憎しみが蠢いていた。大地に沁み込んでいた「修羅の妄執」―。経済悪化の道を落ちて行くパレスチナ、戦禍の中、耐久生活を強いられるイラク、極寒の山岳に留められたクルド、そして空爆に晒されるアフガニスタン。変貌するアラブの現況とイスラム世界の抱える闇を、元カイロ駐在のワシントン特派員が解き明かす。
目次
第1章 ガザからの視点―植民地の病
第2章 湾岸の光芒―アラブ連帯の崩壊
第3章 くすぶる野望―イラクの戦後
第4章 境界の民族―クルド人の悲劇
第5章 イラスムと近代化―アルジェリアの実験
第6章 戦火の決算―あとがきに代えて
著者等紹介
布施広[フセヒロシ]
1953(昭和28)年、新潟生れ。京都大学文学部仏文科卒。毎日新聞記者。’87年、アメリカのデューク大学で短期研修。’89(平成元)年6月から’92年11月までカイロ特派員として湾岸戦争、中東和平会議などを取材。’95年2月から8月までイスラエルへ留学し、ヘブライ大学トルーマン研究所客員研究員として学ぶ。その後、外信部、論説室で中東関係の社説・論説を担当する。現在、ワシントン特派員
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