新潮文庫<br> 逢魔

電子版価格
¥605
  • 電書あり

新潮文庫
逢魔

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101334387
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



唯川 恵[ユイカワ ケイ]

内容説明

抱かれたい。触れられたい。早くあなたに私を満たして欲しい―。身分の違いで仲を裂かれ、命を落としたはずの女との、蕩けるほどに甘く激しい交わり。殿様の側室と女中が密かにたがいを慰め合う、快楽と恍惚の果て。淫らな欲望と嫉妬に惑い、魔性の者と化した高貴な女の告白。牡丹燈籠、雨月物語、四谷怪談、源氏物語…古の物語に濃厚なエロティシズムを注ぎ描き出した、八つの愛欲の地獄。

著者等紹介

唯川恵[ユイカワケイ]
1955(昭和30)年、金沢市生れ。銀行勤務などを経て、’84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞。2002(平成14)年、『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年、『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

132
 今までの唯川作品では、断然これがいい。「四谷怪談」「源氏物語」「牡丹灯籠」など古典の名作八編を下敷きにして唯川恵が描いた女の世界、一つひとつの物語が艶かしく、濃密で官能的だ。それが淫靡に感じさせないのは著者の筆力だろう。女の恋への執念、怨念、同性愛、恋敵への嫉妬…などが絡まってのストーリーも面白い。女の手練手管にまんまと乗せられて、翻弄される男の浅はかさは可笑しかった。やっぱり官能小説は、女性作家の作品の方が味わい深くて好きですねぇ。 2017/06/04

ウッディ

102
牡丹灯籠、ろくろ首、番町皿屋敷・・・なじみの怪談話にエロスを絡めた短編集。怪しく、妖しい雰囲気は、ゾクゾクとします。古典と恐怖と愛って相性いいかも!2017/07/29

machi☺︎︎゛

98
ろくろ首、番町皿屋敷、四谷怪談、源氏物語など古の物語を唯川恵が官能をプラスしてアレンジした8つの短編。唯川恵の官能小説は大胆で言葉もストレートで斬新だった。始めは新鮮な感じで読み進めていたけど、官能がプラスされると全部が同じような物語になってきて、途中少し飛ばし読み。最後の源氏物語は面白かった!!2019/03/30

sin

88
エロス!古典のしかも“ろくろっ首”“牡丹燈籠”“皿屋敷”“蛇性”“化け猫”“お岩さん”“山姥”“生霊”といった錚々たるメンバーが、その愛欲に身を焦がす。物語に秘められたその赤裸々な交わりが作者の筆で現代に蘇る。愛とは綺麗事でなくお互いに深く溺れ沈むもの…性愛は誕生を司り、その実、死と隣り合わせのものかもしれない。そこに在るひとときの永遠…。2017/06/19

アッシュ姉

81
雨月物語、四谷怪談、源氏物語など、唯川流にアレンジした官能とホラーが見事に融け合った短編集。美しく妖しく怖ろしく狂おしい。深い情念にくらくらぞわぞわ。さすが唯川さん、読ませます。巧いの一言。2020/08/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11860944
  • ご注意事項