出版社内容情報
別れた恋人、艶やかな人妻、クールな女獣医、小料理屋の女主人とその十九歳の娘……女たちに眩惑される一人の男の愛と再生の物語。
霧の町、軽井沢。航空会社をリストラされた岳夫は、父親が遺した古い別荘で一人暮らすため、東京から越してきた。自由と不安の間に揺れる彼の新生活は、次々と立ち現れる女たちに翻弄される。誘いをかけてくる人妻、知的な女性獣医、ワケありらしい小料理屋の女将と、その十九歳の娘――。したたかで魅力的な女たちと運命に漂う男の恋愛ラプソディ。『途方もなく霧は流れる』改題。
内容説明
霧の町、軽井沢。航空会社をリストラされた岳夫は、父親が遺した古い別荘で一人暮らすため、東京から越してきた。自由と不安の間に揺れる彼の新生活は、次々と立ち現れる女たちに翻弄される。誘いをかけてくる人妻、知的な女性獣医、ワケありらしい小料理屋の女将と、その十九歳の娘―。したたかで魅力的な女たちと運命に漂う男の恋愛ラプソディ。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955(昭和30)年、金沢市生れ。銀行勤務などを経て、’84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞。恋愛小説やエッセイで、多くの読者の共感を集めている。2002(平成14)年、『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年、『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワニニ
55
題名に違わない昼ドラ風とはいえ、珍しく40代男性が主人公で、様々な生き方を垣間見られ、静かな感動がある。鼻持ちならない自信家の男。全て失い、行方不明の父が遺した軽井沢の古別荘に移り住む。男の周囲にいた家族や女性、今関わる女性との関係・愛の物語の中で、彼らの力強い選択を目の当たりにし、軽井沢の自然と特筆すべき迷い犬との暮らしから、山登りにも似た人生を見つめ直し、再生へと導かれる。どうして男がここまで女にモテるのか分からないが、甘美さあっての唯川恵。嫌な奴だった男が次第に味わい深く感じられ、心温まるラスト。2015/08/27
ざるこ
43
バツイチ49才の岳夫がリストラに遭い父親が遺した軽井沢の山小屋で暮らしながら自分の生き方を模索する物語。再就職も大手勤めだったプライドが邪魔をする。「金妻」ばりの情事もありつつ、小料理屋、獣医、官僚の妻、元妻に娘、思い悩みながらも決断し自分の人生を掴みとっていく強い女たちに囲まれ生き方を学んでいく。自然の中で肩肘張らず大らかに生きてもいいじゃないか!と言いたくなった。失踪した父親の真相も驚きがあってよかったけど、終盤の老犬ロクとの別れに全部持ってかれてしまう。涙、涙。ここだけでも読んでよかったと思えます。2019/06/16
らむり
43
中年世代の方は楽しめると思います。2015/10/17
Rie
39
改題前に読んでいたことをすっかり忘れて再読。内容もすっかり忘れていて自分にがっかり。けど後半は思いっきり感情移入してしまった。50歳目前にリストラにあった岳夫。失踪した父が残した軽井沢の古びた別荘で1人生活を始めた。そこで出会った人たちに助けられ、溺れ、密やかに思うところ。そして迷い犬との出会い…。巡り合わせとは。人と土地と。犬とも。鼻持ちならない部分も徐々に変化していき守るべきものが定まった後半は清くも感じた。この本の文庫内容紹介がもっと違ったらよかったのに。2015/09/09
金吾
32
○くたびれながらも女性から好意をもたれる中年男性の再出発の話です。思ったよりギトギトしていなくて良かったです。またロクとの関係がいい感じでした。2022/07/25
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- 和書
- 検定・簿記2級