新潮文庫<br> 言葉の海へ

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新潮文庫
言葉の海へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101333014
  • NDC分類 289
  • Cコード C0193

内容説明

国語の統一こそ、一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ…。子を失い、妻に先立たれながらも、17年間を費やし、ついに明治24年に大槻文彦はわが国初の近代国語辞書『言海』を独力で完成させた。近代国家日本の確立に献身した一人の明治人の姿を激動の時代に重ね合わせて感動的に描き出す。大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞作。

目次

第1章 芝紅葉館明治二十四年初夏
第2章 洋学の血
第3章 父祖の地
第4章 戊辰の父と子
第5章 遂げずばやまじ
第6章 盤根錯節

著者等紹介

高田宏[タカダヒロシ]
1932‐2015。作家、編集者。京都市生れ。京都大学文学部仏文学科卒業。1964(昭和39)年から11年間、PR誌『エナジー』を編集。歴史小説をはじめ、樹木・森・島・旅・雪などの自然、猫などをテーマに数多くの著作がある。日本ペンクラブ理事、将棋ペンクラブ会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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らぱん

53
近代日本における初めての国語辞典「言海」をたった一人で編纂した大槻文彦の伝記…と思っていたのだが、幕末を中心に据えた明治から昭和までのゴリゴリの歴史小説だった。 三代前の祖父の玄沢から始まり父の磐渓、そして文彦と兄の如電に受け継がれていく学者一家の系譜をたどる。激動の時代における学問はどうあるべきか、学者の役割は何か。 国家の概念が無ければ国語も無いわけで考えたら当たり前なのだが、近代国家を一から作るとはなるほどこういうことか思い、本邦初の国語辞典編纂は極めて政治的な事業だったのだと理解した。↓2020/08/29

あやの

43
「舟を編む」の日本初バージョンくらいに思って読み始めたら、全く違っていた!江戸時代から明治時代にかけての、日本が諸外国と肩を並べるにはどうしたら良いかという切実な問いから始まったプロジェクトだった。国語文法を整え、外国語辞書に比肩する国語辞書を作らねばならないという、とてつもない目的を一人で背負って成し遂げた大槻文彦の伝記だった。彼の確たる信念は、祖父や父から受け継いだものであることが解る。幕末から明治時代の激動の時代を生きてきた人間だからこそ、ここまでの事業を成し遂げられたんだろうと思う。2022/10/02

てんちゃん

36
明治時代に日本初の近代国語辞書『言海』を独力で完成させた大槻文彦の伝記。幕末から明治にかけて外国からの圧力と国内の動乱の最中、辞書をつくること国語を統一することは、言葉の問題のみならず大きな思いが込められたものでした。日本人の同胞意識を高めるために、外国に対し独立した近代国家として認められるために。大槻文彦は使命感のもと一人で17年を費やして国語辞典『言海』と語法指南書『広日本文典』を作り上げました。ちなみに『言海』の増補改訂版は『大言海』です。某ベストセラーで作中、編んでいた辞書の名前は『大渡海』。2018/11/03

まさ

31
国語辞書を完成させた大槻文彦の生涯。明治期、西洋文化が押し寄せてくる中で国の方向性が問われていたように、持つ言葉を形作ることも必要であった。そのための初の辞書が『言海』。国家プロジェクトでありながら編纂に16年を要し自費出版となった苦難の道を知ると、明治の動乱がこと激しいものだったことがひしひしと伝わってくる。意味を持つ言葉があり、それを正しく用いなければ他と渡り合えない。言葉の重要さと気骨ある人生を学ばせていただいた。2021/02/14

あかつや

7
日本で最初の近代的な国語辞書『言海』を編纂した大槻文彦の伝記。「一国の国語の統一は、独立の基礎であり標識である」との思いに従ってその大事業のほぼ全てを独力で成した執念はすさまじい。といってもこの本で辞書作りそのものを描く部分はさほど多くない。どちらかといえば幕末から明治に至る動乱の時代、大槻文彦を中心に、人々がいかに生きたかという点に重きを置かれている。そりゃそうだ、辞書の編纂なんて地味な作業、単調すぎてそうそう特筆する事もなかろうよ。むしろそれが独力での辞書作りという作業の過酷さを伝えているように思う。2018/07/11

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