新潮文庫<br> 人びとの旅路

新潮文庫
人びとの旅路

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  • サイズ 文庫判/ページ数 245p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101326115
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

人生の旅路を折り返し、ふと後ろを振り向けば、ささやかではあるけれども、愛しい瞬間が見えてくる。「あとから連れがまいりますから」と、一人で割烹に来ながら必ず隣席を空けて座る初老の謎の女性客、恋焦がれる年下のイラストレーターが自分似の花嫁姿を描いているのを知った、30代半ばの独身女性編集者の胸の内。それぞれが懐かしさに彩られた時を、鮮やかに切り取った21の人生劇場。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちえ

34
「人びとシリーズ」というのか。隙間の時間でちょっとずつ読むのにぴったり。作者の短編集は3冊目。この本が一番しっくり来た。「彼女の初恋」「あの街この街」「真珠のネクタイピン」がよかった。2021/09/12

あきあかね

21
『男はつらいよ』の映画で、マドンナの松坂慶子が、寅さんの魅力を「温かさ」と言ったのを思い出した。「それも、電気ストーブのような温かさじゃのうてえ、ほら、寒い冬の日、お母さんがかじかんだ手をじっと握ってくれたときのような、体の芯から温まるような温かさ。」 本書はどの話も10頁足らずの掌編だが、寅さんのような、じんわりと伝わってくる優しく穏やかな温かさを持っている。家族や友人との誤解や行き違い、わだかまりなどがラスト、すっと消えてゆく感じがいい。大きなどんでん返しはないが、上質の人情噺のような清々しさがある。2019/06/25

ばー

5
探して探して読んでみた。もうはや今や古本屋にしか無い悲しさ。三人称の良さとでも言うべきか、距離の取り方が読んでて楽しい。読んでてリラックスできる。渋い声で朗読してほしいなあ。上手に作られた職人芸のようなものである。おすすめは、「再会」、「釣り竿」、「同級生交歓」。特に「釣り竿」がたまらなくいい。何度も読み返した。だまされたとでも思って読んでくれたらこんなに嬉しいことはありません。2012/10/01

ゆきじ

3
家庭教師先で扱っている中3向けの問題集で「二人連れ」を目にしてから、その雰囲気に魅了され購入。 登場人物(主人公)をさん付けで呼ぶことに最初は違和感があったが、慣れてくると不思議と暖かみを感じるようになった。日常を切り取ったような内容のため、短編毎で物語が終わることはなく、心地いい余韻に浸ることもできた。 読んでいる途中で、出版が20年以上前の1995年だと知ったときには驚いた。きっと人というものを本質的につかんでいるからこそ、色褪せない魅力がだせるのであろう。 内海さんの他の作品も読みたいと思った。2018/11/19

Dune

3
ようやく古本屋から探し出して購入。人々の日常の一場面が綺麗に描き出されています。好きな話は一番最初の「再会」、それと「雨あがり」。ぜひ他の『人びとシリーズ』も読んでみたいです。2014/12/06

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