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新潮文庫
月と菓子パン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101318516
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

女ひとり、気どらぬ町で暮らしている―。近所のとうふやの味を比べる。猫みちを探索する。銭湯で人生の先輩たちの会話を楽しむ。田舎から出てきた父と乾杯する。水泳がちょっとうまくなる。二歳のいなこちゃんを抱っこする。ともだちの家でごはんを食べる。何気ない日常こそが愛おしい。みずみずしい感性ときりりとした筆致でエッセイの新時代を切りひらく、石田千の第一作品集。

目次

1 赤いポストに入れて(月と菓子パン;やもめ酒場 ほか)
2 東京てんてん(いなこちゃんといっしょ・その1;駒場のいちょう ほか)
3 なんでもない日(泳ぐ;カレー散歩 ほか)
4 うすあおの窓(富士メガネ;壁を見る日)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

105
石田千さんの本を読むのはこれが3冊目。なんでもない日、どこにでもある話が石田さんの手にかかると愛おしくなる。石田さんのこころのありようと、ものを見る目をとおした日常風景はあたたかく、味わい深い。毎日をあたりまえに生きること、ふとしたことに目を向けること、ちょっとした贅沢をしてみること、そうした日常のなかにある幸せを見つける作業が石田さんにとってエッセイを書くということなのだろう。人生はすばらしい。2018/09/21

なゆ

63
読んだことないタイトルだ!と思ったらエッセイだったという、よくやる失敗。まぁお風呂本だから、ゆるゆる読むとする。こういうの読むと、私なら見過ごしてるようなささやかな景色や出来事を、よくぞこれだけの文章にふくらませられると、感心する。あとがきで知ったが、文章を書くようになったのは嵐山光三郎事務所でアルバイトしてて、日記を書くように言われてからだとか。きっと文才を見抜かれて勧められたんだろうけど。石田さんの淡々と黙々とした小説を、そろそろ何か読もう。2019/12/04

がらくたどん

54
先日こちらで、石田千氏のデビューエッセイの事を思い出す機会を頂いて懐かしいなと思っていたら本棚に埋もれていたのでいそいそと。母の通院付き添いの長い待ち時間が、ゆるゆるっとした下町お散歩食べ歩き気分に。日記代わりのまさに随想。そう、ふわりと浮かんだ想いのまにまにそっと捕まえて記された想いの欠片たち。歩いては食べ、飲んでは歩き。柿の種の「お米のような景気のいい音」、ゆで豆の「頬の力がぬけるような味」、「突然に息をのむような姿をあらわす」街の植物。あとがきに「うまくないぶん、ていねいに」とある。心がほぐれてくる2022/09/06

かのこ

52
読書会で紹介いただいた本。気どらぬ町での気どらぬ日々を独特の感性・テンポで描くエッセイ。文字には速度なんてないのに、この本の文章は不思議とゆったりとしたスピードで届く。読書会での紹介の通り、寝る前に一編ずつ読むのにぴったりな作品(せっかちな私はついまとめ読みしてしまったけど笑)。飲み屋小路やよりどりみどりのおとうふやさん、食べ歩き春秋…大げさな書き方をしていないけどこの町の雰囲気はとても素敵だ。食べ物描写におなかがすいたり(ビール飲みたい✨)前世紀の郷愁感を感じたり…今度はゆっくり、また読み返したい作品。2017/05/25

hirune

49
下町で地域猫を観察したり、豆腐屋さんを渡り歩いたり、銭湯をあちこち試したり、農家に野菜を買いに行ったり、一人で夜な夜な飲み歩いたり。東京でものんびりした暮らしをできるところもあるんだねっていうエッセイ集です。肩の力の抜けた生活はいいなぁ。それぞれ嫁いだ3人のおばあさん姉妹が暮れに集まって1日かけて餅つき機で3軒分のお餅をつき、それをのんびり丸めるというのは、幸せそうでよいなぁ☆2017/04/15

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