内容説明
大胆な性表現、エロティックな挿絵。江戸のエネルギーが炸裂する“おとなの絵本”41作。
目次
脱人情本の秀作『真情春雨衣』
八犬伝異聞『恋のやつふぢ』
歌舞伎ポルノ『十襲秘蔵春閨情史』
艶笑小咄の傑作『さしまくら』
東海道・道中ポルノ『中閨膝磨毛』
艶笑作者十返舎一九『本艶葉男婦舞喜』
穴なし伝説『今様七小町物語』
艶色見立て近江八景『逢身八契』
擬古文の名作『藐姑射秘言』
江戸の透明人間『好色赤烏帽子』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこ
11
再読。江戸時代のあらゆる艶本をさらりと紹介し、ヤマ場(ってか濡れ場か)はわかりやすく詳しく記載。「江戸時代、当たる芝居や本があるとポルノ化したパロディが出された」ってのが、現代の洋画パロディAVやエロ系二次創作を思い出させ、あるべくしてあるものなんかしらと思わせる。濡れ場の描写も、現代と変わらないような変わるような。「アレサ、もふもふ、ソレソレ、いくいく」みたいなくの字点の繰り返しがやたら多いセリフも味わい深い。擬古文調や漢文調のエロ文まであるので、何というか格調高くエロを楽しめる(気がする)面白本。2021/09/28
美代子
5
お、面白すぎる……。今も江戸も内容が変わらないというか、はっとさせられるというか……。著者も言っていたけれど、日本語の文体の豊富さに驚かされる。どうしてこういう表現が出来るのか?文章うまいなあすごいなあ。しかし効果音などに笑ってしまう楽しい。2015/01/31
勉誠出版営業部
3
故・林美一の『江戸艶本を読む』を読了。「艶本」と書いて、「えほん」と読みます。江戸時代の春画の、作品の筋と、それにまつわるエピソードをつづった作品。図版が少な目なのはちょっと残念だけど、春画にも仕掛け本があったことは発見でした。2014/08/23
UMA
3
挿絵として収録されている図版にはあからさまな交合図は少なめ、だけど本文が凄すぎてもうおなかいっぱい。現代人にも読みやすいセリフやオノマトペ多めの作品から雅言や漢文体で書かれたものまで幅広く紹介されているのが嬉しい。それにしても、これは売れると見るや否やエロパロ二次創作やっちゃうのは今も昔も変わらないな……。2012/12/07
東森久利斗
1
「艷本」の字面、字画の美しいことこの上ない。読者受けする表現なのか、どの艷本にも使われている慣用句が味がある。それにしても江戸っ子の大胆かつ繊細な欲求は、現代にも確実に受け継がれているということを、つくづく感じてしまう。2015/10/11
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