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新潮文庫
昭和。あの日あの味

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101308111
  • NDC分類 596.04
  • Cコード C0195

内容説明

誰にでも忘れられない味がある。そしてその味は、懐かしい風景を蘇らせてくれる。食糧事情が悪化した戦時中、給料をはたいて鶏の唐揚げをむさぼった幸福感。輸送船の甲板で口にした大和煮の缶詰のうまさ。戦後、洋菓子店に並ぶケーキへの憧れ。台風取材の合間に食べた炊出しのおにぎり。時々無性に恋しくなる母のいなりずし…。66人の食の記憶で紡がれる昭和史。

目次

「食うこと」が大変な時代があった―戦前・戦中の記憶から(昭和元年~二十年)(ツンと鼻をつく刺激臭(井出孫六(作家))
塩鮭と粕汁(常盤新平(作家)) ほか)
復興を支えたそれぞれの食事情―敗戦後の困難の中で(昭和二十年~三十年)(黄色い夏ミカン(白井佳夫(映画評論家))
運命のおでん(やなせたかし(漫画家・絵本作家)) ほか)
「生活」が変わったあの時期に…―高度経済成長前後を挟んで(昭和三十年~四十年)(卵とマーガリンの頃(村田喜代子(作家))
パンにバター(赤瀬川原平(作家・画家)) ほか)
豊かな国の「表」と「裏」で―「食うには困らぬ時代」だったが(昭和四十年~六十四年)(池袋の原宿ドッグ(泉麻人(コラムニスト))
はじめはフランスパン(高橋洋子(作家・女優)) ほか)
忘れられない“異文化の味”―食の世界の広がりを知って(サゴ椰子の味(大石芳野(写真家))
カイバル峠の羊肉バーベキュー(吉田ルイ子(フォトジャーナリスト)) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
月刊「望星」という雑誌に連載された、主に食べ物に関するエッセイをまとめられたものです。「昭和」とあるように、ある意味戦中戦後を体験した方々の食にまつわる経験談がかなり掲載されています。私の年齢の少し上の方々の話が多く読んでいてまさにその通りだと感じるものが多々あります。最近の若い方々にとっては信じられないようなこともあると思いますが、このような時代もあったということを感じてほしい気もします。2024/07/09

kinupon

63
昭和、平成と時代は変われど、変わらない味はあるんです。 でも、あの日はもう戻ってはこない。2018/12/29

つちのこ

41
66人のエッセイには、旅に絡めた食の話が多いと実感。非日常の開放的な時間である旅のロケーションと、その時のシュチュエーションが食べたものの印象を倍加させているのがなんとなく分かる。普段食べているものでも旅先で食べるとなんだって美味いのだから。田舎から出てきた両親に、お金が無くてキャベツの醤油炒めしか出せない出久根達郎の話には泣けた。母は息子のために田んぼで獲ったタニシの味噌煮を差し出す。貧乏に耐えてきた家族のささやかな宴の情景が浮かぶような展開。貧しかった少年時代に食べた固く泥臭いタニシの味を思い出した。2024/06/21

らぴ

22
どんなごちそうよりも、おにぎりだったり蕎麦だったり、とてもシンプルな食べ物が心に残る味になることがある。そんなエピソードがいっぱい詰まった本。2010/05/17

なにょう

18
66人が綴るあの日あの時の食の思い出。美味しいものはその土地ならではの食べ物。そのときの状況にもよる。昭和、それこそ戦前、戦中、経済発展期、海外での体験も。★南伸坊さんいわく、かき氷は、汗を垂れ流しながら味わうもので、クーラーの効いたカキ氷屋は邪道ですと。2017/11/10

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