新潮文庫
閔妃(ミンビ)暗殺―朝鮮王朝末期の国母

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  • サイズ 文庫判/ページ数 466p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101308043
  • NDC分類 221.05
  • Cコード C0193

内容説明

時は19世紀末、権謀術数渦巻く李氏朝鮮王朝宮廷に、類いまれなる才智を以て君臨した美貌の王妃・閔妃がいた。この閔妃を、日本の公使が主謀者となり、日本の軍隊、警察らを王宮に乱入させて公然と殺害する事件が起こった。本書は、国際関係史上、例を見ない暴挙であり、日韓関係に今なお暗い影を落とすこの「根源的事件」の真相を掘り起こした問題作である。第一回新潮学芸賞受賞。

目次

プロローグ―池上本門寺の墓地にて
李氏朝鮮王朝通信使
大院君、政権を握る
閔妃登場
悲しき王妃の座
閔氏一族の結束
王世子誕生
朝鮮の鎖国を破った日本
反閔妃、反日のクーデタ
大院君拉致事件
開化派青年たちの見た日本
閔妃暗躍
王妃をとりまく外国人たち
刺客と世紀末のパリ
外務大臣陸奥宗光の記録
朝鮮王朝の分裂外交
閔妃の自負心
日本公使の交替
下関の李鴻章
公使井上馨の失権
王妃暗殺計画
決行前夜
暁の惨劇
広島裁判の謎
陸奥宗光への疑惑
エピローグ―日韓併合への道

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

370
角田房子の歴史ルポルタージュ。閔妃暗殺については、なんとなく知っているつもりになっていたが、本書を読むにつれて自分の知識や了解事項の浅薄さに愛想が尽きそうになる。本書は閔妃の誕生から、暗殺、そしてその後の対応に至るまで丁寧に掘り起こし、忠実な再現に努めている。しかも、作家的感性と想像力を駆使することで、立体的に、また臨場感を持って描き出すことに成功している。例えば、決行当時の壮子たちの空転したヒロイズムなどの描写は見事である。これをどのように評価するかはともかく、韓国・朝鮮を知る上では必読の書かと思う。2024/05/21

遥かなる想い

75
日本の過去の歴史において、他国の王妃を惨殺するという、現在では考えにくい暗い時代を描いた本。今いち、閔妃という女性を描ききれていないのでは…という不満は残る。2010/05/23

榊原 香織

59
勝海舟と大院君が文通してたのびっくり。 闇の歴史2024/05/27

金吾

41
当時の朝鮮の政治的混乱と国政の腐敗が良く伝わりました。しかし日本も出先機関が暴走しており、それに対する厳正な対応が出来ていない点は、後の軍部の暴走に繋がる行為かなと思いました。やや表現がまわりくどく感じる部分はありましたが、面白かったです。2023/06/16

AICHAN

40
図書館本。李氏朝鮮晩期の高宗(コジョン)王の妃だった閔妃(ミンビ)が日本人たちによって暗殺された。その上、日本人が亡き妃を死姦した。この事件は朝鮮が日本の植民地にされる15年前の事件。朝鮮半島では有名で(乙未事件と呼ばれる)、日本でいえば忠臣蔵のような事件だという。なのに、おそらくは多くの日本人がこの事件のことを知らない。これを知らずして友好や外交はないなとこの本を読んで思った。日本の右翼は犯人は朝鮮人だったというが、そもそもこの暗殺を計画したのは朝鮮公使・三浦梧楼(日本人)であり…(以下に続く)2017/07/06

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