内容説明
1999年4月14日、山口県光市の社宅で、23歳の母親と11ヶ月の乳児が、18歳の男によって惨殺された。醜い利己的な快楽のために、尊いふたりの命が絶たれた―。独り残された洋さんが、弥生さん・夕夏ちゃんの二人がこの世に生きた証として、書簡、育児日記を編集した。できちゃった結婚で、学生結婚で、別居結婚だった二人が、一家三人で暮らせた期間はわずか7ヶ月半であった。
目次
第1章 パパとママの交換日記
第2章 出会い
第3章 遠距離恋愛
第4章 弥生は“くっつき虫”
第5章 学生結婚・就職・夕夏の誕生
著者等紹介
本村洋[モトムラヒロシ]
1976(昭和51)年3月19日、大阪府生れ。広島大学を経て新日鐵入社
本村弥生[モトムラヤヨイ]
1976年3月3日、大阪府生れ。クボタ入社。’99年4月14日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆう
10
他人の幸せな物語を覗き見するのは、退屈かもしれない。ただし、1999年4月14日に、恋愛結婚した家族の物語は突然終わる。事件を知っているからこそなのか、読んでいて願ってしまう。ありふれた日常が続きますように…続いてくれないことを知っていながら。犯罪に巻き込まれ、日常が激変する衝撃を知るには、十分すぎた。2019/02/01
かりんとー
5
感想は書けないな。2017/02/02
なないろ花色(はないろ)世界はひとつ
5
読書メーターでつながる皆さんに是非とも読んでもらいたい本です。私は、数年前に、文庫ではない2000年の4月に出版の方で読了しました。・・はじめ、本村洋さんは「頭が変になりそうな程に、酷い事件に出会う事になってしまったのに、こんな間もない時期によく出版を決められたのね、凄い」と正直、思いましたが。間もなかったからこそ、正気(しょうき)でいるためにこそ、決めたのだ、と感じなおしました。私が、今、思うのは。【殺人をしてしまう人間が出来上がってしまう家庭環境・周辺環境】を政府は徹底的に研究すべき義務があると思う。
篠田@書店員復帰を目指し中!
5
この事件の判決が出たのがきっかけで読んだ。読み始めてからすぐに感情移入をしてしまい、涙が止まらない。奥さんの文章を読めば読む度に本村さんやお子さんの事を心から愛してるんだなと実感した。犯人が奥さんとお子さんの未来と命を奪った罪は大きい。2012/02/21
のりべん
4
むかーしに一度読んだ本ですが再読。 中盤の恋人時代のラブレター公開の部分、初心というか若い時代の恋心を思い出させてくれたというのもあるのですが、何か見てはいけないものを見てしまった感、確かにありました。え?!これ本にして公に出してしまっていいの??!というような。 育児日誌や著者の補足、あとがきなんかは読んでいてなんとも言えない気持ちになりました。。。2018/02/24