新潮文庫
なぜこんなに生きにくいのか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 243p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101304823
  • NDC分類 188.84
  • Cコード C0136

内容説明

人として存在するかぎり、苦しみはけっしてなくなることはない。ならば、この生きがたい人生をいかに生きるか、それが人間のテーマではないだろうか。宗教はなんらかの真理を体得するものでなく、少しでも上手に生き抜くための「テクニック」。自らの生きがたさから仏門に入った禅僧が提案する、究極の処生術とは。困難なときこそ、具体的な思考で乗り切るための“私流”仏教のススメ。

目次

第1章 なぜこんなに生きにくいのか
第2章 「あの世」はあるのか、ないのか
第3章 「本当の自分」はどこにいるのか
第4章 「いま、ここ」に生きる意味とは
第5章 親と子の深くて苦しい絆
第6章 人間関係はなぜ悩ましいのか
第7章 困難な時代をどう生き抜くか
第8章 生きるテクニックとしての仏教

著者等紹介

南直哉[ミナミジキサイ]
1958(昭和33)年長野県生れ。禅僧。早稲田大学文学部卒業後、サラリーマン生活を経て、’84年曹洞宗で出家得度。同年、福井県の大本山永平寺へ入門。2003(平成15)年まで約20年の修行生活をおくる。’05年から青森県恐山の院代(山主代理)に。福井市霊泉寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAKAPO

44
南 直哉さんは、仰います。"私は「問い」と「問題」を区別して考えています。「問い」は、アプローチのしようがない、正体不明のわからなさ。「問題」は、ある「問い」が言語によって明確化され、アプローチできる状態になったこと。なんだかわからないけどつらい、というような問いを、少なくとも自分の言葉で設定できる課題にまで構成し直すこと、つまり具体的な問題として言語化することが大切です……。人は答えを出すことを第一に求めがちですが、答えを出すことを急げば、問題は安直に構成されます。答えはむしろないと思った方がいい。"と2019/04/29

テツ

28
悩み苦しみはある意味では人生の花であるのかもしれないけれど、そこに陥り抜け出せない衆生は必死でもがいている。楽になるのも苦しむのも選択するのは本人だ。極楽と地獄は隣り合わせ。自らが望めば好きなように行き来ができると気づくまでの青臭く尊い苦しみ。無常という言葉が示すように常なるものは無い。世界の見え方も感じ方もぼくが好きなように選ぶことができ、そうした瞬間に世界は生まれ変わる。世界なんてそんな程度のあやふやなシロモノなんだぜと理解するための(ためと言ってはいけないのか)プロセスである禅。2020/02/22

西

25
シンプルな話なんだけど、正しく理解するのはそんなに簡単ではないなと思う。一度読んだだけでは、表面しか読めていないような、その奥に深い真理があるような気がする。『私たちは人生を「自己決定」で始めたわけではありません。生まれることを自分で選択して生まれた人はおらず、仕方なくこの世に生まれてきた、だから生きている根拠がなく、心の真ん中に空いている穴を、有りもしないアイデンティティで埋めようともがいてしまう。このことが自分に大きく響いた。また読んで理解を深めたい2018/05/20

豆ぽち

20
舌触りの良い離乳食のような説法ではなく、生肉をガツンと喰わされたような読後感。生きることは辛いし慰めも解決策も無い。ただ生きることを引き受けるのだ。救いが無い所が、私の感覚ととても合います。2018/09/10

marmelo

20
私はうまく制御できない自我のためにしばしば傲慢にも自棄にもなる。それを未熟さのせいだと自責もする。人として未完の欠陥品だと疑う。繰り返されるこの心の動きがなにより私を苦しめている。そこで僧侶である著者が繰り返す、人は「そもそも課せられて、放り出されて、名前を一方的につけられて人生を始める」ものであるという、身も蓋もないような言葉に勇気づけられる。自分という存在はその原初から「負わされている」ものと再認識し、そこから生を再構築することの中に哲学的かつ現実的な希望がある。2017/04/09

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