内容説明
「蛇頭」とは中国人の密入国斡旋で暗躍するブローカーたちの通称である。夥しい数の密航者が、当局の厳しい監視の目をかいくぐって国境線を突破し、世界各国に散ってゆく。在日中国人ジャーナリストである著者が、蛇頭の手口や密航ルート、密航者の知られざる動機を綿密な取材で追跡、人々の人間模様を浮き彫りにしてゆく。書下ろしによる最終章には、密航の最新事情も盛り込んだ。
目次
プロローグ
第1章 衝撃的な日本密入国ルート
第2章 スネークヘッドの実態
第3章 にぎわうロシア密航ルート
第4章 ミャンマー・タイ密航ルートの悲惨
第5章 アメリカに押し寄せる人々
第6章 密航者たちの成功と挫折
第7章 国際盲流と出国ブーム
第8章 中国政府の密航防止策
第9章 密航が続く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
2
中国からの密航者斡旋、多数のルートや入り組んだ闇組織の存在に恐怖感を覚える。 数百万円を払ってでも国外に希望を見出だそうとするのは、日本人の米欧留学も変わらないが、違法に国外滞在すればトラブル時に国外退去。 今は日本の魅力が減って蛇頭も減ったようだが、技能実習生が違法に働かされているドキュメンタリーを今年も見ただけに、蛇頭が姿を変えて暗躍しているのではと勘繰ってしまう。 日本も移民を受け入れるか否か、国会でまともに議論もしていない。本書の解説で馳星周氏が憤りを吐露しているのも無理はない。2020/12/02
Hayashi Hideki
2
馳星周氏に同じ。故国を出るのに宇宙に行くくらいの苦労があるなんて・・絶句。 2012/01/27
bibi‐nyan
1
1999年の本。20年以上前のルポですが、当時と比べて今の現状がどのようになっているのか気になりますね。 筆者の取材力がとにかくすごい。 蛇頭という名前はよく聞くし、小説等の題材にも使われることが多く、なにか得体のしれない非合法な組織というイメージしかありませんでしたが、実情と本質は「密航斡旋業者」の一言に尽きる。そして、イリーガルな意識が低い密航者たちと、スネークヘッドたちへの聞きこみ、日本等の密航先の国だけで、あるいは中国だけで解決できる問題ではない根深さが丹念に描かれています。 2023/05/18
丰
1
19990201, 19990305-3
HIRO1970
0
☆☆☆2011/11/17
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