内容説明
メニューは雄弁である。仏大統領官邸エリゼ宮の饗宴で供されたワインと料理の中に、ホストである仏大統領のメッセージが隠されているのだから。英女王・米大統領・日本の首相から天皇まで、晩餐会に招待された各国要人は、ワインの銘柄と献立でどう格付けされていたのか?その厨房深くにまで潜入し、フランス食卓外交の奥義を明らかにする、知的グルメ必読のノンフィクション。
目次
二人の米国大統領
ポンパドゥール夫人からシラクまで
儀典長の憂鬱
執事長と三つのメニュー
厨房探訪
五十年目の抜栓
銀器を失敬したのは誰?
情熱とプラグマティズムの結合
昭和天皇とシャンソン
異なった日仏の「元寇の役」解釈
空飛ぶ料理人
ビールで乾杯!
著者等紹介
西川恵[ニシカワメグミ]
1947(昭和22)年長崎県生れ。’71年、毎日新聞社に入社し、東京本社地方部、社会部を経て外信部へ。’82年から2年間テヘラン支局、’86年から7年間パリ支局、’96(平成8)年5月からローマ支局長。’97年本書にてサントリー学芸賞受賞。’98年7月から2001年3月まで外信部長を務め、現在、論説委員。文化、社会、宗教などグローバルな視点から国際政治を分析している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
13
フランスの大統領が訪問客をどのような意図からもてなすのかを、宴会のときのメニューを示しながら解き明かした本。宴会料理、特にワインは、訪問客との関係、期待値などなどから、決まるらしい。メニューは、当然のことながら、訪問客にも渡されるわけで、訪問客は、メニューによって、フランス大統領の自分に対する評価を知ることになる。政治の世界というのは、露骨にあからさまな世界というわけ。なにやら凄い。日本は、どんな風にしているのかと興味津々というところで、この著者の「歴代首相のおもてなし」を読むことにした。2014/11/02
ジュール リブレ
13
『ワインと外交』の前の本。フランスのホワイトハウス、”エリゼ宮”の宴席メニューで政治の裏を見るお話。ここのお屋敷のワインセラー、どうなっているんだろう。。。一度、ご相伴にあづかりたいなぁ。(でも気楽に、ね)2010/12/21
たまご
9
「人生で影響を受けた本100冊」コミュニティのための本棚登録で.政治と食の関係に目を開かされた本でした.ミッテランさんの冥福を祈ります.2020/03/15
はんな
8
歴史、政治、料理、ワイン…等々、好きなもの全部がつまっている大好きな本。2019/09/27
さきん
4
大統領によって好みが違うことや、おもてなしにかかわるいろいろ大変な話が盛りだくさんで、外交という視点からも、料理、おもてなしという視点からも面白かった。さすがにまずい食事だと、良い議論はできない。2015/07/05