新潮文庫<br> ブリューゲル、飛んだ

新潮文庫
ブリューゲル、飛んだ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101298115
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

AN

21
30年ぶりに読んでみたが、全く色褪せていない。「ガルガンチュア物語」などの作者ラブレーの研究者による、画家のヒエロニムス・ボッシュとブリューゲルの絵画の小説的批評と言えば良いのだろうか。笑いの要素をそこかしこにたっぷりとちりばめつつ、ボッシュとブリューゲルの作品の世界を「短編小説」として纏めた稀有な作品だと思う。三部目の「ベティ・ブルーの世紀末ブルース」は映画と小説に触れればより楽しめると思った。(付録)の作品はブリューゲルとボッシュファンならば抱腹絶倒で楽しめるだろう。画集と共にぜひ楽しみたい一冊だ。2024/04/04

ちゃんぷる

3
誰も知らなそうな本を、と思ってBOOKOFFで買った本。小説でいいのかな。絵画について、その絵をググりながら読める現代は恵まれてるなと感じます。もっと意味わかんないんだろうな、と思って読んだけど思いの外スラスラ読めました。全っ然分かんないんだけど、一瞬分かる瞬間があってちょっと面白いと感じるところも。ベティはナオミを彷彿とさせます。テキーラ・ラピド初耳でした。2022/04/05

サラ.K

3
ボッシュとブリューゲルを扱った小説とは面白い!って第一印象。「笑うボッシュ」の方がよかった。ユーモア漂う文体と不思議な世界感に浸りました。ゴキブリのアタナシウスがいい。2012/01/24

鵙屋

2
★★★☆☆ ブリューゲル展に興味があり、手に取った一冊。小説として読むにはきつかったが、ところどころ覚えておきたいフレーズがあったのでモチベ維持できた。強いて言うなら「笑うボッシュ」が一番好き。《悦楽の園》が飾られた男の部屋を土日だけ借りることになった女性、それを見守るずいぶん哲学的なG。ボスが身体を排除しようとしているのは本当なのだろうか。「造形を語るとき、造形は強く文字は弱い」。確かに。2017/12/23

あかふく

1
絵画を文章によって表現するという伝統があり、それはシモニデスやホラティウスの言葉に拠って長らく絵画と文章(詩)は姉妹だと思われたり、その見解が批判されたりしてきたわけだが、少なくとも絵画や視覚がメタファーに関わろうとすることが一定の困難を持つことは西村清和が詳細に論じた(『イメージの修辞学』)。とすると本作が絵画を描写しながらそこから離れていくというレベル、文章の比喩が殺されるというレベル、比喩がそのまま受け取られるというレベルと対応の関係を様々に毀すわけで、それを食の言語に絡ませるところが非常に面白い。2014/09/17

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