新潮文庫<br> ざらざら

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新潮文庫
ざらざら

  • 川上 弘美【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101292403
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

風の吹くまま和史に連れられ、なぜか奈良で鹿にえさをやっているあたし(「ラジオの夏」)。こたつを囲みおだをあげ、お正月が終わってからお正月ごっこをしているヒマな秋菜と恒美とバンちゃん(「ざらざら」)。恋はそんな場所にもお構いなしに現れて、それぞれに軽く無茶をさせたりして、やがて消えていく。おかしくも愛おしい恋する時間の豊かさを、柔らかに綴る23の物語のきらめき。

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958(昭和33)年、東京都生れ。’94(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。’96年「蛇を踏む」で芥川賞、’99年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、’01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、’07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

219
23篇の短い物語からなる作品集。表題の付け方は、相変わらず凝っているような、いいかげんなようなだ。この中では、籠おばさんの話を唯一の例外として、すべてリアリズム小説。女子高生から中年一歩手前まで、さまざまな年齢の女性たちの日常を一見さりげなく描く。個々の作品もそうなのだけれど、全体を通してみると、なおさら暖かいような、せつないような気分になる。けっして「感動的だった!」というタイプの小説ではないし、また川上弘美は、そのような作家でもない。しかし、しみじみと「うまい」作家だなあと思う。2012/10/27

さてさて

205
『剃りたての原田くんのうなじをさわってみるのが、わたしは好きだった。ひんやりとしたうなじ』。23もの”掌編”が集められたこの作品では、ほんの些細なことにも関わらず、いいなあ、としみじみ感じる瞬間、そんな瞬間を思う主人公の姿が描かれていました。舞台も登場人物もさまざまに、サクッと物語を楽しませる川上さんの筆の力を感じさせるこの作品。気軽に読み進めていける分、もっとこの物語世界に浸っていたいという思いが逆に募るこの作品。柔らかく穏やかに綴られていく物語の中に、居心地の良い時間を過ごさせていただいた作品でした。2023/05/04

酔拳

125
雑誌クウネルに連載されたショートショートな小説23編です。大学生やフリーターやOLと、20代前半から30代前半の女性が登場人物といして、書かれています。若い女性の気持ちがよくわかった気がします。23編もあるし、話が変わるので、話にのめりこみにくさはありました。 「トリスを飲んで」「ときどき、きらいで」「笹の葉さらさら」「クレヨンの花束」「月火水木金土日」「卒業」などが、特によかったです☆2017/09/01

nico🐬波待ち中

121
雑誌『クウネル』に連載された23話の短編集。23タイプの実に様々な恋模様が繰り広げられる今作品。どれも可愛くてほのぼのしていてラストはちょっといい気分になれて、このままずっと読んでいたくなる。中でもおかまの修三ちゃんとアン子の二人のやり取りが大好き。恋人とうまくいかずうじうじ悩むアン子に向かってバッサリ言いきる修三ちゃん、私も叱って!『春の絵』の好きな女(女子ではない)に対し、大人顔負けの男気を見せる小学4年のすすむくん、とってもいい。どの話も自分と重ね合わせて、とてもさっぱりしたいい気分になれた。2018/07/05

❁かな❁

113
すごく前に読み、今回久しぶりに再読してみました!23編入りの短編集。恋愛系のお話です。川上弘美さんらしさ満点で、ふわふわしてサラッとしていて素敵な空気感で心地よく読む事ができました♪どのお話も決してドロドロせず、切なくなったり、ほっこりしたりして、とても優しい雰囲気です☆特に印象に残ったのは「ラジオの夏」「びんちょうまぐろ」「菊ちゃんのおむすび」「コーヒーメーカー」「ざらざら」「山羊のいる草原」「同行二人」「淋しいな」「桃サンド」です。川上さん、とても読みやすくて女性が好きな雰囲気の作品でオススメです♡2013/12/01

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