新潮文庫
平凡パンチの三島由紀夫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101288819
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

1968年、超人気週刊誌の編集者として、ぼくは、スーパースター三島由紀夫と出会った。番記者で唯一剣道の弟子となり、共にハンバーグを食べ、編集部で音楽を聴き、結婚式でスピーチをもらう―割腹自決までの三年間、新宿騒乱に同行し、「楯の会」の秘事を間近で見つめるなど濃密な関係を築いた著者が、文豪の知られざる素顔に迫った。従来の三島像を覆す、傑作ノンフィクション。

目次

第1章 “キムタク”なみのアイドルだった
第2章 ねじれにねじれ拡散した信条
第3章 スーパースター第一号誕生!
第4章 頭脳に“ものが入ってきた”
第5章 “ひどいから、いい”感覚
第6章 “イメージ”が、新しい哲学になった
第7章 “集合的無意識”世界への旅
第8章 ゲバラとアリと三島のダンス
第9章 気づかれなかった本当の遺書
第10章 白い錬金術師の家

著者等紹介

椎根和[シイネヤマト]
1942(昭和17)年2月9日福島県生まれ。早稲田大学卒業。「婦人生活」「平凡パンチ」「anan」編集部勤務、「週刊平凡」「popeye」編集長、「日刊ゲンダイ」「Hanako」「Olive」「COMICアレ!」「relax」などの創刊編集長として編集畑を一貫して歩く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鉄之助

234
タイトルに惹かれて、読んだ。そこには”大作家”三島ではない人間・三島が描かれていた。面白かった。著者は三島が割腹自殺するまでの3年間、編集者として身近に接し、唯一の剣道の弟子ともなった。結婚式にはスピーチをもらうほどの関係だった。『平凡パンチ』は当時100万部発行の若者のバイブル的雑誌。ハンバーグをグチャグチャに崩し、ご飯を上にのせて食べた三島。それを「これが、美味いんだ」と人にも真面目に薦める様子がリアルだった。温かいエピソードが豊富なのも、この本の魅力となっている。2021/01/25

ケイ

106
三島がパンチに連載していた『若きサムライたちへ』が好きで、その編集者の語りに興味を持つ。連載は、三島の晩年3年の間。前半は面白いが、井戸端会議的雑談が多いために面白い箇所を拾って読む。後半は同内容を切り口をかえて繰り返している印象。1960年代後半の世相が面白い。ベトナム戦争、学生の闘争、高い経済成長。破裂しそうなエネルギー。平凡パンチの読者の投票で三島が1位だった時、加山雄三、石原兄弟、今の松本白鴎白、三船敏郎、西郷輝彦、北大路欣也、長嶋らが名を連ねている。三島、早く逝きすぎじゃないか。。。2023/04/05

nakanaka

70
家族に三島由紀夫好きがいるので沢山読める環境にはあるが、恥ずかしながらこの歳まで三島由紀夫の作品は一つも読んだことがない私。なのに何故かこの本を読んでしまった。多くの三島作品を読んでから読めばよかったと後悔。また三島由紀夫に影響を与えたプラトンやプルースト、ユングにも触れておけばよかった(理解できないだろうけど)。それでも様々な情報が満載なので勉強になったし感じ入るものがあった。そもそも「平凡パンチ」についても知らなかったが多方面の分野を扱った雑誌だったのかな。いずれ三島作品は読んでみようと思う。2015/11/13

harass

19
雑誌編集者だった著者が書く三島由紀夫の思い出の本。三島の唯一の剣道の弟子だったそうで自決する三年前から仕事依頼以外にも家族ぐるみの付き合いがあったとのこと。三島と一緒に学生運動のデモ見学をしたりボーリングをしたりと変に神格化されていない描写が興味深い。三島邸の内部や三島の服装など作家の実像や、同時代の文化状況と三島の評価なども書かれている。当時の文化人たちとのつながりや雑誌編集の記録などの資料としてなかなか面白い。鼻につく著者の文化論あたりは飛ばして構わない。2013/12/11

風に吹かれて

14
かつて『平凡パンチ』という今の『週刊プレイボーイ』の兄貴分のような雑誌があって、時代の流行をなんでも追いかけるような内容だったらしい。その編集者であった著者が1968年に三島と出会い、モデルや俳優など映像の世界のスーパ―スターでもあった三島との日々を描きつつ、プラトン、ベルグソン、プルースト、ユング、サルトルなどの在りようを援用しながら、“三島由紀夫”の実像を浮き彫りにしようとした硬派な内容。タイトルから想像してしまいそうな軟な三島論ではない。2017/01/12

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