内容説明
太平洋戦争末期、探偵小説好きの石目鋭二上等水兵は、軽巡洋艦「橿原」に乗務を命じられた。「橿原」は過去に怪死事件が相次ぎ、殺害の実行犯がいまも潜むと囁かれている。艦底の内務科5番倉庫では、機密物資を運んでいるという、不穏な噂も絶えない。そんな折、艦内で士官が毒死、乗組員が行方不明になった。やがて次々と生起する怪異なる事象に、石目もまた取りこまれていく。
著者等紹介
奥泉光[オクイズミヒカル]
1956(昭和31)年山形県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。’93(平成5)年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞、瞠目反文学賞、’94年、『石の来歴』で芥川賞、2009年『神器―軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
109
2011/7/31 Amazonより届く。 2018/3/31〜4/9 3年ぶりの奥泉作品。300ページくらいまでは読むのが辛かったが、それ以降はちょっとましに。しかし、長い。下巻は楽しめるのか?2018/04/09
BlueBerry
32
上の序盤は前置きが長すぎる感じ・・。割と読み易いけれど流石に飽きてくる(笑。2014/03/29
タカギ
16
なんだこれは…。初・奥泉光で、緻密な作風だと何かで目にしていたけど、ここまでとは。読んでも読んでも終わらない。三浦しをん氏のエッセイがきっかけで手に取った。サブタイトルが『軍艦「橿原」殺人事件』なので、ミステリを期待していたのだけど、幻想小説? ファンタジー? 第二次世界大戦中の日本海軍の話なので、軍隊ものでもある。登場人物が多く、変な人ばっかりで誰に照準を合わせていいのかわからず、戸惑った。とりあえず下巻をゆっくり読んでみる。2017/03/24
てふてふこ
14
舞台は太平洋戦争末期の軽巡洋艦橿原。内務科5番倉庫周辺で死人続出。途中乗船者は何者か、幽霊の噂、橿原の使命・・・様々な謎が渦巻き、徐々に狂っていく乗組員。主人公?の石目鋭二はおべっか上手のマイペース人間。準主人公の大黒尻は自己愛強い曲者。こういったキャラクターを描くのが上手い。ユーモアが交じった戦争SF。毛抜け鼠で意表を突かれ、下巻が楽しみです。2014/04/23
ayame
13
普通の戦争の海軍の話かと思って読み出したが、推理物、でもなし、SF?人間がネズミになるし、光の爆発でネズミが増えるし、現代の青年らしきがネズミになって現れるし、これから何がどうなるのやら。同乗者たちも得体が知れず、不気味な戦艦「橿原」。三浦しおんさんのエッセイで知って読み始めたが、想像と全く違う。2018/01/09