内容説明
家庭に不満はない。仕事もまあ順調である。でも、このままでいいのだろうか。男性の多くが感じるだろう漠然とした不安をぼくも抱いていた。そうだ、知らない町で、自分を見つめなおしてみよう。ぼくは、馴染みのない駅で降り、あるアパートの一室を“男の隠れ家”として借りることにした。仕事場と自宅、そして隠れ家を行き来する生活が始まった。笑えてしみじみ、北尾トロの真骨頂。
目次
第1回 こうき心
第2回 眠れない夜
第3回 ぼちぼちいこか
第4回 何とかなれ
第5回 トンネルぬけて
第6回 いい事ばかりはありゃしない
第7回 心が痛い
第8回 人生を語らず
最終回 青空、ひとりきり
著者等紹介
北尾トロ[キタオトロ]
1958(昭和33)年、福岡県生れ。法政大学卒。就職するも、初日の昼休みで辞める。フリーターなどを経て、ライターとなる。現在は、ネット古書店「杉並北尾堂」の経営も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だーぼう
35
40代男の隠れ家生活。何か起きてほしい。でも何か起きてほしくない。揺れに揺れている、男の心。ブログに感想を書きました。2015/09/11
はる
33
自分の住んでるエリアから遠いところに1人アパートを借り、自宅とアパートを行き来しつつ、人生を見つめるライター話し。 いいね〜パチンコ親父の「友達は3人でいい」っていう言葉よかった。 結局家を借りたのに目に見える収穫って無さそうだったけど、でもこうやって心情を見つめて人生に向き合う姿って素敵。 シンプルに生きる姿が良かった。北尾トロさんって初めて聞いた名前だったけど、もっとたくさん読んでみたい。2021/09/23
出世八五郎
25
読了後ふと思ったのが〈穂村弘の現実入門〉と似た企画ということ。こちら本書の方がより現実入門的に共感できる事が多かった。著者は下戸ではなく酒に弱いらしいが、その足でアクティブに飲み屋を彷徨う姿に羨ましく感じる。酒を飲まないのは人生の三分の一を損する♪と言われるが、著者が花岡と出会うBARでの知らない人との交流などは、下戸の私には憧れだ。ドキドキしながらも行動するその姿に感銘を受けた。自分には何が足りないのだろうと・・・途中放り出そうと思ったが意外と良本だつた。2017/06/23
しーふぉ
21
隠れ家を持ちたい気持ちって子供の頃に秘密基地を作った気持ちに通じるような気がする。防音装置の付いた部屋に良いオーディオとホームシアター、落ち着くソファとBARカウンターのある海の近くの隠れ家が自分は欲しい。2017/11/29
ふろんた2.0
19
家庭持ちだと、自分がもし一人になったら、何をするだろう?と考えることはある。例えば、婚活パーティ行ったら、どのような評価をされるのかとか。ただ、さすがにこれはズレ過ぎてると思うぞ。ここまでする意味は本人にしかわからないだろうな。2014/04/21