出版社内容情報
アマゾン川の最奥、地図上では原野が広がっているだけの無人地帯に「黄金の地」は存在する。荒くれ者の貧乏人が巣食う金鉱脈だ。この地は誰でも受け入れる。前科の有無は問われない。IDすら不要。ただし条件がある。金鉱山の場所を明かした者は殺される。黄金による人生の一発逆転を夢見て、男たちは泥に塗れ、穴を掘って掘って掘りまくる。ブラジルの最底辺を鮮やかに切り取る異形の記録。
【目次】
内容説明
アマゾン川の最奥、地図上では原野が広がっているだけの無人地帯に「黄金の地」は存在する。荒くれ者の貧乏人が巣食う金鉱脈だ。この地は誰でも受け入れる。前科の有無は問われない。IDすら不要。ただし条件がある。金鉱山の場所を明かした者は殺される。黄金による人生の一発逆転を夢見て、男たちは泥に塗れ、穴を掘って掘って掘りまくる。ブラジルの最底辺を鮮やかに切り取る異形の記録。
目次
序章 村の女
第一章 ならず者どもの王国
第二章 泥に塗れ、目は赤くなる
第三章 下僕たちは忽然と消える
第四章 熱病の森
第五章 聖夜が過ぎて澱となる
第六章 視えない十字架
終章 天国、もしくは空
著者等紹介
国分拓[コクブンヒロム]
1965(昭和40)年、宮城生れ。’88年早稲田大学法学部卒業後、NHKに入局。著書『ヤノマミ』で2010(平成22)年石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、’11年大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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駒場
5
前科者だろうがジジイだろうが、来るもの拒まず去るもの追わず。場所を明かしたものは許されないというファイトクラブ的男性優位主義の煮凝りみてえなアマゾンの奥地で違法金鉱で働く男(と時々女)のドキュメンタリー。だが、一攫千金を夢見る若者・ラップ小僧を軸に話が進み、演出がドラマチックなので映画っぽさがある。意外にも電気が通ってテレビも見られるし、娼婦も来るし、週に一度は休みもある。だが金の7割はボスにハネられるし、夢みたいな逆転はほぼない。熱病から覚めて澱に飲まれたら、そこを去るか、惰性で生きるしかないのだ2025/12/13
ももいろ☆モンゴリラン
2
ドキュメンタリーの書籍化だが、もはやこれは物語だ、しかもとんでもなくドラマチックな。口ばかり達者でなんの役にも立たない野心家の若者「ラッピーニョ(ラップ小僧)」とともにアマゾンの奥地に船は分け入り、土砂と泥水にまみれながら小さな金の塊を追う。無法者のガリンペイロたちが集まる非合法な金鉱山にも規律と秩序は存在し、起死回生の一発逆転を狙うラップ小僧はそれらに順応せず無能扱いされ、ひどく打ちひしがれて枯れたボタ山を一人突きまわる。絵に書いたような凋落ぶりに胸が痛くなるが、おめえがわりいわラッピーニョ…。2025/12/11
Departure
1
ガリンペイロ。蒸せ返るような南米アマゾンの熱帯雨林で、強大な力に支配され、自然に抗い、黄金を夢見て大地を穿つ。信じられるのは己のみだ。 泥水にまみれ酒を飲みホラを吹き…熱に浮かされひたすらに生きる彼らを、どこか羨ましくも思った。自分がいつのまにか忘れていた”シンプルに生きること”を彼らは体現しているからだ。2025/12/08




