内容説明
戦国時代の中国、特異な非攻の哲学を説き、まさに侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す謎の墨子教団。その教団の俊英、革離が小国・梁の防衛に派遣された。迫り来る敵・趙の軍勢は2万。梁の手勢は数千しかなく、城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのか―史実を踏まえながら奔放な想像力で描く中島敦記念賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
354
儒家、道家よりさらに馴染みのない墨家。侵略戦争は否定し防衛戦を専らとし守城側に武人と技術者を派遣し戦った。革離は今の墨家の方針に異を唱えた為に疎まれ、兵士もつけられないまま一人きりで小城に赴く。寡兵で武器もこれといったものがなく絶望的。なのに革離は半年や一年は城を守ってみせると言い切って、守城戦の準備を始める。城の補強となる土木工事、墨家の持つ技術を使っての武器制作、住民らの民兵化、軍の編成、練兵、戦術の立案などを自ら指揮を取って進める。戦が始まってからはもはや寝る暇もない。革離は小城を守れるのか。2026/03/05
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
96
春秋戦国時代の中国。非攻、博愛の哲学を説き、侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す類稀なる才能に満ち溢れた、謎に包まれた教団・墨子。そして大国・趙は2万の群勢で梁国の侵略を開始。梁の城主・梁渓は墨子に救援を依頼。派遣されたのはたった一人の男。教団の俊英、その男の名は革離。梁の手勢はわずか数千。城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのかーーー。漫画化、映画化もされた一人の墨子の物語。墨守と呼ぶのが一般的ですが、墨攻と名付けた著者のセンスが素晴らしい。名作。2017/07/22
射手座の天使あきちゃん
75
映画のコピー風に言うと、「名もなき市井の戦略家が、わずか4千の庶民を統率し、趙の精鋭2万の軍勢を相手に胸のすく大活躍、はたして梁城の運命は!?」って感じですね 人心掌握の術など「墨家』思想恐るべし!!ですねぇ <(^_^;2010/07/04
森林・米・畑
62
戦国時代の中国に、墨子教団と言われる謎の集団があった。この本で初めて知ったが、城を守るための職人(技術)集団のようだ。主人公の革離の段取りの良さ、働きぶりには驚嘆する。本は薄いが面白く内容は厚かった。2025/06/14
姉勤
56
堅固な防禦。転じて頑に信じ続ける事を意味する「墨守」。そのために、人心を統一し、国力を充実させ、新兵器を開発し、戦術戦略を駆使し、スパイ、情報操作を行い、時には要人を暗殺し、最終的に敵国に侵略を「断念」させる情勢に持ち込む。そこにLOVEやPEACEはない。ただLOVEやPEACEを唱えられる国を維持させるだけ。憲法九条を唱え続ければ世界が平和であり続けるとする思考を「墨守」する蒙昧な人々に対する皮肉だろうか。そんなことはどうでもいいほどのエンターテイメント。本書を原作・発展させた同題のコミックスも白眉。2014/01/28
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