内容説明
空海の没後270年。教義の研究に没頭し、20歳で高野山に登った覚鑁は、無常観と浄土教が広がる世に、大日如来を中心とするマンダラ思想を説き真言密教を命がけで守る。わずか40歳で最高権力の座に登りつめた覚鑁は、やがて高野山の旧勢力との対立から下山し、49歳で入滅するが、空海の思想を継承し法然・親鸞への道を開いた男として記憶された。真言密教・中興の祖の数奇な生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
46
慌ただしい仕事の車中の待機中に読む本ではなかったのだが、やむを得ず。覚鑁(かくばん)上人と読む。 2024/02/04
クサバナリスト
10
覚鑁、真言宗の中興の祖。あるTV番組でその名前を知り、興味が湧き、本書を読んだ。小説としての面白味には欠ける。2017/03/26
親父
2
歴史小説としての面白味には欠けます。資料を読んでいるようです。2011/02/14
国見弥一
1
平安時代になっても大衆は人間扱いされず、南都六宗は都や貴族らに守られてきた。大衆は死ねば墓に葬られることなく、よくて山に穴でも掘って捨てられるだけ。風葬…体のいい路上放置である。 空也などの登場活動もあったし、浄土教の盛況もあった。覚鑁は、「民衆のあいだに骨を崇拝して、墓を設ける習慣を植え付けた。盂蘭盆、彼岸には仏が帰ってくるという供養の形式も、覚鑁がととのえて人々に広めたと考えられる。」2024/02/04