内容説明
天正18年、秀吉の天下制覇の野望の前に、北条氏の居城・小田原城は落城寸前であった。しかしその時、辛くも城を抜け、三河の新陰流奥山道場に身を隠した兵法者がいた―。武田家ゆかりの名族・遠州高天神城城主小笠原長忠の末弟、長治である。権謀術数を嫌い、弱肉強食の乱世を厭い、ひたすら剣の修行を続け、ついには道をきわめんと琉球、明に渡り、武芸者と対決した男のロマン。
感想・レビュー
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Kenji Suzuya
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のちに『柳生兵庫助』につながる新陰流の剣術描写が見られるが、まだまだ成熟していない。「八寸の延矩」をヌンチャクと理解しているのは、とてもじゃないが同意できないし、その使用の描写もリアリティに欠ける。2014/11/14
Kazuo Kusunoki
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最初に徳川側だったころの高天神城の城主の弟。武田に落とされ北条方につき興国寺城へ。その後山中城、小田原城を経て三河に逃げ延びる。紀州、沖縄へ。そして明へ。最後は江戸で剣の学校。波乱万丈な人生。運と腕で生き延びた。山中城攻防がおもしろいが、もっと詳細知りたい。◯2013/05/25
shirow32g
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彼の周りには常に女がついているけれど、死別されたりふいといなくなってしまったり、不運な身の上である。人のはかなさ、死の恐ろしさを知りながらも、武芸一筋を貫く姿勢はすばらしいなと思った。2007/06/18
SHU
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なかなか面白いです!