出版社内容情報
「わが主君に謀反の疑いあり」。筑前黒田藩家老・栗山大膳は、自藩が幕府の大名家取り潰しの標的となったことを悟りながら、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。九州の覇権を求める細川家、海外出兵を目指す将軍家光、そして忠之──。様々な思惑のもと、藩主に疎まれながらも鬼となり幕府と戦う大膳を狙い刺客が押し寄せる。本当の忠義とは何かを描く著者会心の歴史小説。司馬遼太郎賞受賞。
葉室 麟[ハムロ リン]
著・文・その他
内容説明
「わが主君に謀反の疑いあり」。筑前黒田藩家老・栗山大膳は、自藩が幕府の大名家取り潰しの標的となったことを悟りながら、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。九州の覇権を求める細川家、海外出兵を目指す将軍家光、そして忠之―。様々な思惑のもと、藩主に疎まれながらも鬼となり幕府と戦う大膳を狙い刺客が押し寄せる。本当の忠義とは何かを描く著者会心の歴史小説。司馬遼太郎賞受賞。
著者等紹介
葉室麟[ハムロリン]
1951‐2017。北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て2005(平成17)年『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。’07年『銀漢の賦』で松本清張賞を、’12年『蜩ノ記』で直木賞を、’16年『鬼神の如く―黒田叛臣伝』で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじさん
92
黒田藩家老の栗山大膳は、黒田藩主忠之に疎まれながらも、権謀術策を駆使し、藩の窮地を救う。まさに、鬼神の如くの働きで、徳川家光、土井利勝、柳生宗矩等と互角に渡り合い見事に、藩の存続に繋げる。宮本武蔵、竹中采女正、天草四郎等登場人物も多彩で、ノンフィクションの域を超えたエンターテイメント、葉室麟の作品には珍しい、ダイナミックで展開も速く、一気に読みけるだけの面白さがあった。大膳の器の大きさに只々驚きを禁じ得ない。 2022/03/15
優希
47
司馬遼太郎賞受賞作。江戸時代初期の黒田騒動が描かれます。マイナーとメジャーを絡めながら本当の忠義とは何かを紡ぎ出す筆が凄いですね。面白かったです。2021/09/15
優希
42
司馬遼太郎賞受賞作。様々な思惑が交錯し、本当の忠義とは何かを問いかけているようでした。2023/02/17
ikatin
25
鬼神は敬してこれを遠ざく。関わりすぎると策に落ちるのである。大膳恐るべし。しかし、なかなかのオールスターキャスト。2020/11/05
みこ
24
「黒田騒動」を栗山大膳の立場から描いた作品。活劇を交えてスラスラと心地良く読み進めた。ただ、ほぼ全ての登場人物が栗山の掌の上で転がされていたような印象で智謀戦は物足りない印象。また、宮本武蔵、柳生十兵衛、天草四郎とこの時代のオールスター勢ぞろいなのは良いが、やはり話が広がりすぎた印象もあり。90点なのに残り10点がやたら目についてしまうのが惜しいところか。また、作中で大男という描写があったにも関わらず、栗山大膳の飄々とした姿は終始濱田岳でイメージしてしまった。その子供のはずなのに大河の影響おそるべし。2019/02/27
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