新潮文庫
「最長片道切符の旅」取材ノート

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  • サイズ 文庫判/ページ数 440p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101268156
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C0195

内容説明

昭和52年、国鉄全線乗車を果たした稀代の「乗り鉄」宮脇俊三。翌年、北海道から鹿児島まで一筆書きに乗り継ぐ「日本一遠回りの旅」に挑み鉄道紀行文学の金字塔となった『最長片道切符の旅』を書き上げる。本書は乗車距離13319.4キロ、全34日に及んだその旅の間に、著者が記した詳細な取材メモと手描き地図を完全収録。「伝説の旅」の舞台裏が、圧倒的な臨場感とともにいま甦る。

目次

第1日―広尾‐帯広‐冨良野‐旭川‐遠軽
第2日―遠軽‐北見‐池田‐釧路‐厚岸‐厚床
第3日―厚床‐中標津‐標茶‐網走‐中湧別‐紋別
第4日―紋別‐名寄‐音威子府‐浜頓別‐南稚内
第5日―南稚内‐幌延‐留萌‐深川‐岩見沢‐沼ノ端‐札幌‐小樽
第6日―小樽‐倶知安‐伊達紋別‐函館~青森‐好摩
第7日―好摩‐大館‐弘前‐深浦‐東能代‐秋田
第8日―秋田‐鶴岡‐坂町‐米沢‐横手
第9日―横手‐大曲‐盛岡‐宮古‐花巻‐一ノ関‐気仙沼
第10日―気仙沼‐前谷地‐石巻‐仙台‐郡山‐平‐水戸〔ほか〕

著者等紹介

宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926‐2003。1926(大正15)年、埼玉県に生れる。東京大学西洋史学科を卒業後、中央公論社に入社。出版部長、「中央公論」編集長、常務取締役を経てフリーに。’78(昭和53)年、国鉄全線乗車記録『時刻表2万キロ』で日本ノンフィクション賞受賞。『時刻表昭和史』『シベリア鉄道9400キロ』等、数々の鉄道紀行を著す。ミステリー作品『殺意の風景』では泉鏡花文学賞、’99(平成11)年には菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドナルド@灯れ松明の火

23
宮脇さんの渾身の作品「最長片道切符の旅」の取材ノート。著者の本音(SL、列車編成、国鉄の対応、駅周辺の様子、ホテルの対応、乗客への感想、沿線の景色など)が迸り、深く頷く。家族特に娘さんへの愛情も率直に書かれていたりして親近感が湧く。鉄ちゃんはもちろん、旅行好きにも超お薦め!2013/07/31

浅香山三郎

16
電車で移動するときには、鉄道に関する本が似合ふ。ここ何年かの宮脇俊三さんの著作の河出文庫での刊行などで、このところ宮脇さんの未読本に接する機会が増へた。本書は最長片道切符の旅の取材ノートといふマニアックなものだが、本体には載せなかつた様々な鉄道の表情描写(ローカル線、国鉄、地方高校生、かつぎやのおばさん、地方のホテル等)が面白い。宮脇さんの他の紀行文にも言へることだが、昭和の日本の地方のすがたを記録したものとしての価値も高いと思ふ。2019/12/10

saga

15
またしても没後に編まれた本書を読む。「最長片道切符の旅」というタイトルがピンとこず、いわゆる食わず嫌い的に敬遠していたが、昨年末の鉄道旅を契機に、著者の旅のバックボーンとなるメモを読みたくなった。接続する列車の時刻表の羅列かと思いきや、2作目を創り出すためのとても面白い取材メモであった。いや、本書を面白いと感じる自分が相当の鉄道マニアで、しかも著者とベクトルを同じくする時刻表マニアなのだと思った。当時の鉄道網は非電化区間が多く、味のある気動車の旅が羨ましい。結末がとてもあっさり。原氏の解説よし(やや冗長)2013/01/09

nchiba

7
このノートがもとになった「最長片道切符の旅」は何度も読んだ。国鉄時代も末期ではあったがまだまだ魅力的なローカル線がたくさんあった頃の記録は楽しく、ちょっと切ない。鉄道で遠くまで行く時代ではなくなってしまったけれど、あいかわらず僕は憧れている。そんなに遠くない未来に青春18きっぷで飽きるほど列車に乗ってみたいと思った。2010/12/21

午睡

3
「最長片道切符の旅」があまりによかったので、そのメモにあたる本書まで買ってしまった。完成形である「最長片道切符の旅」で「星の王子様」として登場する人物が「栗原氏」という人物であることなどが本書を読めばわかるが、しかし、しょせん楽屋であり舞台裏。読むべきでなかったなーという感想を持つ。とはいえ、わずかなメモと記憶から、宮脇俊三という作家が、いかに一日の旅を見事に再現してみせたか、ということがわかったのが収穫か。 父と同じ編集者の道を選んだ宮脇灯子という美しい名前を持つ娘さんが書くまえがきが、とてもいい。2020/02/14

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