内容説明
流麗な歌風で名高い額田王の和歌を韓国語と中国語で読み解いた時、歌の奥底から浮上してきたのは「三」という数だった―。大和三山、三韓の政争、そして額田王をめぐる中大兄皇子と大海人皇子の三角関係。巧妙に織り込まれた三つのトライアングルが重なり合った時、姿を現したドラマとは?『万葉集』の因習的解釈から離れ、動乱の七世紀を生きた才媛の姿を探る、多言語研究の冒険。
目次
第1章 紫匂う
第2章 大和三山の争い
第3章 反歌に似ず
第4章 不吉な船出
第5章 三輪山の黙示録
第6章 井戸王の正体
第7章 千年の謎解明す
第8章 女帝の系譜
第9章 秋の風吹く
第10章 帰らざる時
わたしたちの方法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaguyam
2
目から鱗。これ学生時代に読んでたら研究室変わってたかもしれない…わからんけど。 万葉集の白文を全て大和言葉で考えるだけじゃ楽しくないわけだよ。 時代を考えれば当たり前のことなのに、思い至らなかった浅はかさがかなり悔やまれる。2014/08/10
lovejoy
1
★★★2023/06/18
サチ
1
ごくごくたまに「へえ?」とは思わせるものの、「トラカレ」・「アガサ」などの語に説明がなく、基本内輪ネタ。書き逃げ感がぬぐえない。体裁が整っている振りをするものの、所詮はエッセー風感想文レベル。2010/07/01
田山河雄
0
「もう一つの万葉集」のイ・ヨンヒさんとちょうど同じ頃(89~90頃)古代朝鮮語での万葉集を論じた四人の藤村由加さん達も、あれから30年経って今はどうなさっているのであろうか。当時28歳平均との事から60歳前後と思われる。全く何にも存じ上げないがきっとご活躍をされているのだろうと拝察します。