新潮文庫<br> 百年の散歩

個数:
電子版価格
¥649
  • 電書あり

新潮文庫
百年の散歩

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月26日 22時24分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101255828
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

豆のスープをかき混ぜてもの思いに遊ぶ黒い“奇異茶店”。サングラスの表面が湖の碧さで世界を映す眼鏡屋。看板文字の「白薔薇」が導くレジスタンス劇。カント、マルクス、マヤコフスキー。ベルリンを幾筋も走る、偉人の名をもつ通りを、あの人に会うため異邦人のわたしは歩く。多言語の不思議な響きと、歴史の暗がりから届く声に耳を澄ましながら。うつろう景色に夢想を重ね、街を漂う物語。

著者等紹介

多和田葉子[タワダヨウコ]
1960(昭和35)年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。’82年、ドイツ・ハンブルクへ。ハンブルク大学大学院修士課程修了。’91(平成3)年『かかとを失くして』で群像新人賞、’93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、’02年『球形時間』でドゥマゴ文学賞、『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞を受賞。日独二ヶ国語で作品を発表しており、1996年にはドイツ語での作家活動によりシャミッソー文学賞受賞。2018年『献灯使』で全米図書賞(翻訳文学部門)受賞。’06年よりベルリン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

448
本書によれば、ベルリンはフランスから逃れてきたユグノー教徒たちによって作られた街であるとか。たしかにベルリンはそんなに古くからある街ではない。第2次大戦で壊滅的に破壊されたこともあるが、名所中の名所ブランデンブルク門にしてからが18世紀末。そんなベルリンの通りを逍遥しつつ、時にはローザ・ルクセンブルクと邂逅し、また時にはブリュンヒルデの面影に遭遇する。まさにベルリン・ラビリンスの世界である。冒頭の「カント通り」こそ語りは吃音のごとくであるが(それはまたいたって散文詩的でもある)やがて読者は幻のベルリンへ。2021/01/25

佐島楓

80
外国を旅するとその国のことばを母国語として変換し、聞き取ってしまうことがある。複数言語を解するひとなら、なおさら混乱を起こすだろう。その彷徨う感じを文学化した作品と言ってしまえば早いか。ことばの海の中を行きつ戻りつしながら、「わたし」は異国のひとたちの名前のつけられた通りを歩く。そこで出会う異様なものごとは、本当に「わたし」が体験したことなのか。始終混乱が起こり続ける大人の旅物語。2020/02/02

サンタマリア

45
ベルリンに住む日本人女性が通りを歩く。彼女の目に飛び込んできた風景や幻想、また豊かな想像がたくみな言葉遊びを交えて展開されていく。2021/05/09

kazi

37
私の視点を通して語られる幻想的なベルリンの風景。特有の言葉遊び・言語に対する感覚が非常に印象的です。大量消費される商品に対する嫌悪感・警戒心や、労働者の最低賃金への関心、人種と断絶の問題などについて書かれた部分が特に印象に残った。今更ですが、ベルリンでは芸術家の名前が通りの名称になっているんですね。“カント通り”“プーシキン並木通り”。それって素敵。首都としての華やかな歴史と、戦争・分断に象徴される負の歴史を併せ持つベルリンには私も凄く関心があります。私もお散歩してみたい。以上、レビュー終わり。2021/03/14

Kanako

31
こんなにも言葉を自由自在に操れるってすごいな。多和田さんの頭の中には、この物語の主人公のように、ドイツ語も日本語も、もしかすると他の言語も、普通の人の何倍もの色鮮やかさと豊かな意味合いを持って飛び跳ねているのだろう。ドイツを舞台に、その空気感や街並みが、そして土地の持つ過去の記憶が、数々の言葉たちとともに豊かに浮かび上がってくるさまはまさに「百年の散歩」というタイトルにふさわしい経験でした。2022/08/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14935765
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。