新潮文庫<br> 雪の練習生

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雪の練習生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101255811
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

サーカスの花形から作家に転身した「わたし」。娘の「トスカ」、その息子の「クヌート」へと繋がる、ホッキョクグマ三代の物語。

腰を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが……。サーカスで女曲芸師ウルズラと伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。

内容説明

膝を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが…サーカスで女曲芸師と伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。

著者等紹介

多和田葉子[タワダヨウコ]
1960(昭和35)年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。’82年、ドイツ・ハンブルクへ。ハンブルク大学大学院修士課程修了。’91(平成3)年『かかとを失くして』で群像新人賞、’93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、’02年『球形時間』でドゥマゴ文学賞、『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞を受賞。日独二ヶ国語で作品を発表しており、’96年にはドイツ語での作家活動によりシャミッソー文学賞受賞。’05年よりベルリン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

232
その質感に圧倒される。映像が目に浮かぶ、であるとか、音が聞こえてくる、といった小説にはしばしば出会うが、その触れている手ざわりを、これほど確かに感じることのできる小説がかつてあっただろうか。ホッキョクグマのクヌートにふれてみれば、体毛がふさふさして、あったかい。またぼく自身がクヌートになって、雪のなかで毛布とじゃれ合って、くるまる。ホッキョクグマが繋いだ自伝。そうか、だからこんなにモフモフしているのか。え、ちょっとよくわからないって?いや理解をするんじゃなくて感じるんです。さあ怖がらずに、触ってごらんよ。2019/02/08

nico🐬波待ち中

121
多和田さん流のウイットに富んだ文章に夢中になった。ソ連、西ドイツ、カナダ、東ドイツ、統一後のドイツを転々とする3世代のホッキョクグマの物語。ホッキョクグマ目線による人間社会に対する皮肉が面白い。ちっとも嫌な気分にならずサラリと読める所が多和田さんらしい。同じ種族同士で権力を争い、目まぐるしく変動する人間達の世界は、ホッキョクグマからすると滑稽に思えたに違いない。そして地球温暖化による北極の危機。これは笑い事では済まされない。人間達の勝手な振る舞いに翻弄されるホッキョクグマ達のその先を思うと切ない。2018/11/17

rico

119
冒頭の目覚めのシーンにまず引き込まれる。自伝を書く「わたし」、娘の「トスカ」、孫の「クヌート」、三代のホッキョクグマの自分語り。人間や他の動物との交流やサーカスや動物園での日々。亡命までしてみたり。人間の持つ先入観や思考の枠組みを削ぎ落とせば、世界はこんな風に見えるのかもしれない。そう言えば、鼻筋がすっと通ってて白くて大きなホッキョクグマは、どこか偉大な哲学者の趣がある。美しく不思議な味わいの物語。2020/02/18

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

116
静謐な文体に乗って哀しいけれどユーモラスな『ひんやりと暖かい』物語が綴られる。サーカスの花形だった『わたし』は怪我で引退し事務職に転じた後、自伝を書き始める。それは反響と波紋を呼び、彼女の人生は思わぬ方向に流れ始めた……。ロシアで育ちカナダに憧れながら東ドイツに渡った彼女は娘を産み、その娘は息子を産んだ。『わたし』から始まるホッキョクグマ三代記。娘も孫もクマの矜持を持って懸命に生きた。ベルリンから日独2カ国語で作品を発表している多和田葉子さんの物語は、海外文学のような空気感を感じる。野間文芸賞受賞作。2016/02/03

かみぶくろ

113
言葉を操る=思索するホッキョクグマの三代記という不思議な物語だが、彼ら彼女らの目を通じて客観化された人間の在り様や時代の空気がとてもリアルで、手法として見事に成功していると思う。言葉を持つということは、かけがえのない喜びを得られる反面、その何倍もの悲しみや苦しみも引き受けなければならないことだとホッキョクグマたちは悟ったに違いない。一方で、多和田さんが選び紡ぐこの作品自体の豊穣すぎる言葉たちは、そんな喜怒哀楽や人生(熊生?)を全て肯定し、祝福するように輝いているのだから、一筋縄ではいかないものだ。2019/08/03

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