内容説明
祖父が死んだ。あの戦争を「生き延びたせいで見なくていいものをたくさん見た」と語っていた元二等兵の遺灰を故郷の海へ還すため、孫の秀二は沖縄を訪れる。そこで手にしたのは、古びた四本のカセットテープ。長い時を超え、その声は語り始める。かつて南の島に葬られた、壮絶な個人的体験を―。敗残兵の影、島民のスパイ疑惑、無惨な死。生への渇望と戦争の暗部を描く、力作長編。
著者等紹介
蓮見圭一[ハスミケイイチ]
1959(昭和34)年、秋田市生れ。立教大学卒業後、新聞社、出版社を経て作家に。2001(平成13)年のデビュー作『水曜の朝、午前三時』がベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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