内容説明
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’02年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛される。’03年『重力ピエロ』、’04年『チルドレン』、’05年『グラスホッパー』、’06年『死神の精度』、『砂漠』が直木賞候補に。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。洒脱なユーモアと緻密な構成で読む者を唸らせ、近年稀にみる資質の持ち主として注目を浴びている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1439
本書は伊坂幸太郎氏にとっても、自信作であっただろうし、また執筆に際しても、事前調査の段階からことさらに力が入っていたように思われる。着想の元になったのは大きくは2つ。すなわち、ケネディ暗殺事件(その後も含めて)と、G・オーウェルの『1984年』である。「娯楽小説に徹した」とされ、ご本人も「読んだ方が真に受けないでくださればいいな」などと殊勝そうなことを言っているが、それは韜晦に他ならない。一見、荒唐無稽に見える構成もなかなかに緻密であり、セキュリティポッドのアイディアなども怖いくらいのリアリティがある。2018/08/06
ehirano1
1098
こんなに面白い本読んだら他本が読めなくなってしまうのではないか?と思うくらい面白かったです。伊坂さん、ありがとうございます! ”人間の最大の武器は習慣と信頼”は本書中に何度も出てくるので、これが本書において著者が特に主張したかったことなんだと思います。2016/02/12
absinthe
1049
オススメ本。上質のスリラー&サスペンス。顛末は書かれても謎解きは無い。ただ本書を読めば複雑な謎解きは無用だと分かる。文章力があるのか描写がうまいのだろう。時系列はバラバラに切り刻まれるが、読んでいて混乱することは無い。これを読み出したら、誰でも手が止まらなくなるはず。きっとみんな、主人公に「たいへんよくできました」と言ってあげたくなる。2016/12/30
サム・ミイラ
1016
重力ピエロの次はこれ!映画も観たしね。でもやはり原作は読むべきですね。大筋は一緒でも構成と展開は全く別物です。とにかく逃げて逃げまくる緊張感は半端なく、ラストまで一気に読ませてくれます。特に違うのが読後感。映画では敗北感や悔しさが強く残ったけれど小説では一矢報いた気分になれます。これはやはり構成の巧みさによる処が大きいと思います。しかしこんな切迫した中でも会話のセンスがほんとに凄い。凄すぎる。ビートルズ、中でもポールが好きなこともよく伝わってきます。読んでよかったと思える作品でした。2014/06/02
HIRO1970
968
⭐️⭐️⭐️伊坂さんはまだ6冊目です。ハズレの少なさの驚きがまだ持続しており、読みながら楽しさに思わず笑みがこぼれてしまいます。《初めて使いましたが、こんな感じの時にはぴったりの表現かと思います》伊坂さんの作品は自分的には関わりの多くない仙台を舞台にした話が多いのですが、それでもこれだけ持続して楽しめるので私より土地勘のある人はもっと物語に入り込めるのでは無いかと、ちょっと悔しささえ感じてしまう程です。皆さんにオススメします。2015/08/27
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