出版社内容情報
入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決……。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。
内容説明
入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’02年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛され、好評を博す。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。’08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1330
この小説は、井坂幸太郎の東北大学時代の4年間をもとに書かれており、作家自身にとっても、書きつつ大いにノスタルジアを喚起するものだっただろう。「学生は、何だかこういう馬鹿げたことで楽しめていいな」と鳩麦さんが言う、そんな学生生活だ。そして、その頃の伊坂の読書体験には村上春樹があったに違いない。この作品のあちこちにその痕跡が見いだせるからだ。「砂漠」に違和感をおぼえつつ、大学を卒業してもモラトリアムの意識を持ち続けるのが伊坂文学の特質の1つであり、そのことがまた読者との交響感を生み出しているのだろうと思う。2012/06/13
HIRO1970
782
⭐️⭐️⭐️伊坂さん9冊目。学生時代のマージャンが主軸になった伊坂さんにしては緩めのお話しでした(殺しが無いのは初めてかも)。5人のメンツは東西南北に索子を名前に持つフィフスエレメントのような軽い完全体を表しているようで、独特なキャラは5人戦隊ゴレンジャー(古いかな?)的なまとまりと前向きに補完し合う自由な若い時の雰囲気を上手に表していると思えました。バイトや本や音楽の話題もあり飽きずに読みましたが、いつもの伊坂さんより全体に引力が弱い感じがしたのは学生時代が遠い過去になって来ているからかも知れません。2016/07/11
とも
726
伊坂さんの書く本には、どの本にもなんだか知らん「ワクワクする感じ」が常にある。本によっては若干の当たり外れはあるけど、毎回そのワクワクは読んでるコッチを刺激する。今回の「砂漠」もそう。 主人公とその仲間は大学生で今の自分とエライ年の差はあるけど、「そうそう、こんな感じやったなぁ」と何やら懐かしく、うん十年前の自分を思い起こさせてくれた。 大学で知り合った5人が色々な事件?に巻き込まれ、首を突っ込んでく。 5人が5人とも個性がうまく表現されドップリ伊坂ワールドに浸れた。 西嶋サイコー!2018/01/23
ろくせい@やまもとかねよし
648
仙台の大学法学部の男子学生が、同じ学部の2名の男子と2名の女子の学生とめぐる物語。裏表紙解説の「爽快感あふれる長編小説」が本書をピッタリ言い当てている。描写する利己は決して他者を傷つけない。また、描写する利他も決して他者のせいにしない。さらにこれらと現実社会との差についても考察する点に大いに感心した。障害や社会問題もうまく持ち出し、人間の多様性の尊さを感じさせるとても良い読後感をもらった。卒業時の学長の言葉「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」が本書意識ではと感慨深かった。2019/08/04
ミカママ
626
ひさびさの伊坂っち。自分自身の4年間を思い出しながら読んだ。今思うと4年間というのは、ちょうどいい長さだった。まったくもって無駄なようでありながら、かけがえのない時間。戻りたいとは思わないけれど。きっと伊坂っちの周辺で実際に起きたことが、モチーフになってるんだろう。サン・テグジュペリと言えば『星の王子さま』しか知らなかったけれど、他の作品も読んでみたい。「最大の贅沢は、人間関係における贅沢」、この理論から言えば差し詰めわたしなどは、大金持ちではなかろうか。2019/10/23