内容説明
起こるはずのない事故が頻発している。科学技術は、システムの自動化・多重化による安全弁を用意したが、技術を操作する側の人間の慢心や過誤による事故までは防げない。再発を防止するには、些事にわたる事故原因の徹底究明が必要なのである。航空機・原発・医療から自然災害・都市災害に及ぶ、具体的な事故分析を通じて、調査に有効な視点と方法を提示し、現代社会の安全を検証する。
目次
ヒューマン・ファクター
対談・空の安全、直面するテーマ(舟津良行)
設計・製造の失敗
サバイバルの視点
対談・巨大システムの安全性(難波桂芳)
事故の読み方
対談・宇宙からの安全報告(毛利衛)
世界変動のなかの事故
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
27
技術の進歩で安全装置や制御装置が発達したが、事故は起きているのである。安全神話や完璧なるものなど存在しない。人間の驕りでありヒューマンエラーである。鉄道や飛行機はもちろん、病院は密室であり、事故原因、真実はなかなか見えない。93年に書かれた地震噴火予知に関し、その筋は20年後には予知できると言っているが未だ人知を超えたものである。地震予知の莫大な予算とかも考えものだ。2020/11/11
レコバ
1
航空機にかぎらず様々な事故事例、調査、未然に防ぐ為の対策を論じたもの。15年前の著作だがその分析に古さは感じない。ただ著者は最終安全弁としての人間に望みを持っているが、ステルス機やらティルトローター機の延長線上にはその道は無いように感じた。2014/06/18
ろびん
0
事故の究明=責任者を探せになりがちなのは確かにそうだなあ……。2016/10/05
そうまさと
0
20年くらい前の本だが、今でも通用する。2015/03/20
Kuramata Yasuhiko
0
「誰に責任があったのか」に終始し、そのような事故を起こしてしまった背景を突き止め、改善するところまでいかない。一度でも犠牲や失敗があれば、もう止めてしまおうとなってしまう。今もそのまんまの日本です。2012/08/28