出版社内容情報
貧しくても家族が支え合い、励まし合い、近隣が助け合い、生きていたあの頃。美しい信州諏訪の風景と共に描く、初の自伝的小説。
満州で戦禍に巻きこまれ、命からがら日本へ引き揚げてきたヒコベエ一家は、信州諏訪に身を寄せる。なだらかな稜線を描く山や緑深い自然に囲まれヒコベエは腕白坊主に成長する。やがて一家に訪れた転機。母の小説がベストセラーになり、父も作家の道を歩み始め……。貧しくとも家族は支え合い励まし合って生きていた。日本そして日本人が懸命に生きた昭和20年代を描く自伝的長編。
内容説明
満州で戦禍に巻きこまれ、命からがら日本へ引き揚げてきたヒコベエ一家は、信州諏訪に身を寄せる。なだらかな稜線を描く山や緑深い自然に囲まれ、ヒコベエは腕白坊主に成長する。やがて一家に訪れた転機。母の小説がベストセラーになり、父も作家の道を歩み始め…。貧しくとも家族は支え合い励まし合って暮していた。日本そして日本人が懸命に生きた昭和20年代を描く自伝的長編。
著者等紹介
藤原正彦[フジワラマサヒコ]
1943(昭和18)年、旧満州新京生れ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。お茶の水女子大学名誉教授。’78年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。新田次郎と藤原ていの次男(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
48
新田次郎、藤原ていという作家夫妻の二男として生まれた「ヒコベエ」少年の自伝的小説。「流れる星は生きている」の決死の38度線を越え、命からがらたどり着いた信州の父の実家。貧しくても愛情あふれる一家の姿、腕白で正義感にあふれ、算数が得意なヒコベエの魅力がいっぱいの本。読みやすいのであっという間に読了。お勧めします。2014/05/06
五月雨みどり
15
母・藤原てい『流れる星は生きている』に感銘を受けたばかりだが,母から横抱きにされて喘ぎ喘ぎ河をいくつも渡ったあの2歳児の正彦(ヒコベエ)が,満州を逃れて両親の故郷・長野へ帰り着けてから小学校卒業までの,日本の貧しくとも朗らかな昭和二十年代を子供の視点で描いた作品と聞き,手に取った。子供ながら,なかなかに利発で逞しい著者である。きっとあの頃の日本には,こんな子や人々がたくさんいて,明日を信じて生きていたから,見事に復興を遂げられたのだろう。コロナなんて軽い軽い,みんなあの1945年から立ち上がったのだもの。2020/06/07
Toffy
13
だいぶ前、父が何故か「読みなさい」と貸してくれた本。新田次郎、藤原ていの息子、数学者藤原正彦氏の少年時代、元気でわんぱくでした。2014/11/01
鳥居強右衛門
9
藤原正彦先生の自伝小説です。母上である藤原てい先生の「流れる星は生きている」では、栄養失調でいつもてい先生に食べ物をねだってはてい先生を困らせ、疲労凍死しかけた「正彦ちゃん」ですが、貧しいながらもたくましく生きていく物語です。父上から「武士道」と「喧嘩必勝法」を伝授され、近所のガキ大将となった反面、川に対する恐怖心は、満州からの引揚げで溺れかけながらも渡河した恐怖心がトラウマになっていたりと、子供ながら非常に苦労したんだなぁ、と思わず唸ってしまいました。子供の目線から戦後の混乱期の様子が伝わってきます。2026/04/25
いちの
8
小川洋子著「博士の愛した数式」の解説を藤原正彦さんが書かれていて、その筆力と垣間見える人柄の良さに興味を持ち読んでみた、ガキ大将ヒコベエ(=著者)の自伝的小説。死と隣り合わせの満州引き上げや困窮を極めた生活など緊張感がある一方、友だちや周りの大人とのやり取りはクスッと笑える場面も多く楽しめました。ヒコベエの利発さがまた面白い。次はお母様が書かれた「流れる星は生きている」を読まないと!こうやって興味が広がっていくのが読書の楽しみの一つですよね。 本書の解説を小川洋子さんが書かれていて嬉しかったです。2021/06/10




