新潮文庫
親鸞「四つの謎」を解く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101244150
  • NDC分類 188.72
  • Cコード C0195

出版社内容情報

出家の謎、法然門下入門の理由、なぜ妻帯したか、罪悪感の自覚……聖人を理解する鍵は、「異端の偽書」の中の伝承に隠されていた!『歎異抄』を旧制中学時代から愛読し、長い間、親鸞に関心を持ち続けてきた著者が、それまで、どうしても答えが見いだせなかった根本的な謎に迫る! なぜ出家したのか? 法然門下に入ったのはなぜか? 妻帯した理由、悪の自覚に関する疑問……四つの謎を解くため、今まで見捨てられていた「異端の書」の中の伝承に着目し、これまでにない聖人理解に結びつけた梅原日本学の新境地!

梅原 猛[ウメハラ タケシ]

内容説明

『歎異抄』を旧制中学時代から愛読し、長い間、親鸞に関心を持ち続けてきた著者が、それまで答えが見出せなかった根本的な謎に迫る!なぜ出家したのか?法然門下に入ったのはなぜか?タブーを破り妻帯した理由、悪の自覚に関する疑問…大きな四つの謎を解くため、今まで見捨てられていた「異端の書」の中の伝承に着目し、これまでにない聖人理解に結びつけた梅原日本学の新境地!

目次

序章 親鸞にまつわる積年の「四つの謎」
第1章 謎を解き明かす鍵、『親鸞聖人正明伝』
第2章 『正明伝』の痕跡を求めて―京都・常楽寺、三重・専修寺へ
第3章 もう一つの鍵、そして「第一の謎」への挑戦
第4章 「名利の衣」を脱ぎ捨てた理由「第二の謎」
第5章 僧の結婚が意味するもの「第三の謎」
第6章 親鸞の妻、玉日の足跡を求めて
第7章 結婚後、『正明伝』に描かれた東国時代
第8章 『教行信証』に描かれた悪の自覚と「二種廻向」

著者等紹介

梅原猛[ウメハラタケシ]
1925(大正14)年、宮城県生れ。京大哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター所長等を歴任。’92(平成4)年、文化功労者。’99年、文化勲章受章。主著に『隠された十字架』(毎日出版文化賞)、『水底の歌』(大佛次郎賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大先生

8
【①貴族の長男であるにもかかわらず出家の謎、②比叡山のエリートであったにもかかわらず無位無官の法然門下に入門した謎、③結婚した謎、④悪の自覚の謎】という四つの謎に関する梅原氏の分析や考えが纏められている本です。ネタバレになりますが、【親鸞が源氏の血筋】というのがポイントでした。なかなかのボリュームですが、面白いので一気読みしてしまいます。【龍樹の大乗仏教が第一の仏教革命だとすると、親鸞の妻帯を認めた男女平等の仏教は第二の仏教革命である】というのは決して言い過ぎではないかもしれませんね。2023/08/14

coldsurgeon

3
久しぶりの梅原史学。親鸞の4つの謎、「出家の謎」「法然門下に入門した謎」「結婚した謎」「悪の自覚の謎」をキーワードにして、その生涯に入り込む。独自の見解が、いつもどおり、興味深く、謎解きの趣がある。2017/05/06

シスコ

0
親鸞の生涯の四つの謎についての梅原猛の論考。現地調査を実施して、その場に佇んで歴史の声を聴いて書かれたものと思う。資料の記述を基にした論理展開も説得力があった。2017/08/30

Kayo Miyashita

0
私も親鸞に惹かれる者の一人です。作中で四つの謎とされた出家の理由とか、法然門下に入った理由、妻帯の理由、悪の自覚について、私は特に疑問に思ったこともなく、自然に受け入れていたように思います。改めて親鸞の生い立ちから時代背景を詳しく知り、謎は謎でなく、なるべくしてなったことがよく理解できます。煩悩を断絶せずに涅槃を得ることのできた類まれな親鸞という存在に、やはり惹かれてしまいます。2017/08/15

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