新潮文庫<br> 食う寝る坐る永平寺修行記

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新潮文庫
食う寝る坐る永平寺修行記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101231310
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

その日、僕は出家した、彼女と社会を捨てて―。道元が開いた曹洞宗の本山・永平寺。ひとたび山門を潜れば、そこは娑婆とは別世界。東司(トイレ)にも行鉢(食事)にも厳格な作法がある。新入りは、古参僧侶に罵倒され、規矩を徹底的に叩き込まれる。さらに坐禅に日々打ち込んだ末、30歳の著者が会得したものはなにか?雲水として修行した一年を描いた体験的ノンフィクション。

目次

第1章 終わり、そして始まり
第2章 作法すなわち禅
第3章 暗闇に凍える孤独
第4章 流れる時のことわり
第5章 生きる温もりのありか
第6章 峯の色、谷の響き

著者等紹介

野々村馨[ノノムラカオル]
1959(昭和34)年、神奈川県生れ。在学中から中国、チベットなどアジア各国を旅した。卒業後、デザイン事務所に勤務するが、30歳の時、突然出家し、曹洞宗大本山・永平寺に上山、雲水として1年の修行生活をおくる。その後、再びデザイン事務所に勤務し、その通勤の行き帰り、電車の中で修行記を執筆し始める…
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

112
少し前に読んだ「フォンターネ」を思い出しました。彼女もいた青年が突如出家して永平寺へ行きます。そこでの1年間の修業をきめ細かに描いたものでこれだけでも読んだ価値がありました。一般的なことはよくわかっているのですが実際に体験している様子はなかなかわかりません。「正法眼蔵」などの文章を引き合いに出しながら毎日の様子がよくわかります。一昨年に高野山に行ったので今年は永平寺に行ってこようと思って読んだのですが、圧倒されました。2024/04/17

キジネコ

53
その門前先ず、訪う者の拒絶が待ち受けます。通過儀礼であっても修行者の総身を包む不吉を祓う、決心を叫ばせます。道元700年のメソッドが嘲笑う古刹に身を投じた男の一年の記。永平寺は強烈なシステムでした。矛盾難題、理不尽が新到を呑み込んでいきます。罵詈が吹き荒れ打擲が容赦なく飛ぶ日々に彼らから感じること、考えること、そして「何故」が奪われていく。只管走り、耐え、坐る。飢え、痛み、苦行に追い詰められて歯を食いしばり東司で泣く日常そのものが行であり、仏に出会う悟道も己の内にあると知る時、森羅万象の輝きに気が付く。2017/11/08

kinkin

50
永平寺に行ったことがある。入ったときホテルのロビーのような場所で通訳もいてエレベーターもあった。しかしその陰では本書に書かれているような厳しい修行があることを知った。スタンリー・キューブリック監督の『フルメタル・ジャケット』という映画を思い出した。前半は海兵隊に入隊した新兵に対しての上官のすさまじいしごき。入門するということは、日常から全て切り離しゼロからスタートすること。そして修行が終わり寺を去るときもゼロから日常に立ち向かう。物欲にまみれた現代を気づかされた気がした。 2014/07/26

James Hayashi

38
図書館の人に薦められて。あまり興味をなく読み始めたが、なかなか興味深く面白かった。 30歳で脱サラし出家。記事にする為に体験したのでなく、理由なく思い立ち永平寺へ。 体罰に苦しみながら、ひもじい食事。タンパク質はなく脚気になる者も。出家でなく戸塚ヨットスクールへ入門した感じ。わずか1年の修行とは短い感じが強いが、本人には変え難い経験になったことだろう。徴兵制のない日本に、選択肢の一つとして仏道を修行させるというのはいかがだろう。2019/10/05

kawa

36
曹洞禅の総本山・永平寺での著者1年間の修行を綴る。「食う寝る座る」のタイトルにそぐわない凄まじい修行生活。「こんなひどい世界を生まれてはじめて見た。自分の無能さをいやというほど思い知らされ、人間の醜さをいやというほど見せつけられた ~しかし~ 自分が人間として、人間とともに生きていくことの、とてつもない感動を与えてくれた」。難しい寺の専門用語にはやや苦戦だが、著者の何万分の一かの小さな感動を胸に本を閉じることが出来た。これは読書の幸せ。さらに長いという臨済禅の修行にも興味あり。(砂川・いわた書店で購入)2022/07/09

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