新潮文庫
いのちの砂時計―終末期医療はいま

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  • サイズ 文庫判/ページ数 235p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101224237
  • NDC分類 490.4
  • Cコード C0136

出版社内容情報

どのような最期が自分にとって、そして家族にとって幸せと言えるのだろうか。終末期医療の現場を克明に記した命の物語。

突然告げられた余命。チューブに?がれた我が子を見て「生きて、は親のエゴか」と葛藤する母。妻に余命を告げられず、自責の念に苛まれる夫。一切の延命治療を中止すると決断したとき、ニコッと笑ったように見えた父――。どの道が正解で、何が幸せかは誰にも分からない。それでも砂時計の最後の一粒が落ちるその日まで。死の恐怖と闘い、燦然と輝き続けた幾多の命の記録。

内容説明

突然告げられた余命。チューブに繋がれた我が子を見て「生きて、との願いは親のエゴか」と葛藤する母。妻に余命を告げられず、自責の念に苛まれる夫。一切の延命治療を中止すると決断したとき、ニコッと笑ったように見えた父―。どの道が正解で、何が幸せかは誰にも分からない。それでも砂時計の最後の一粒が落ちるその日まで。死の恐怖と闘い、燦然と輝き続けたいのちの記録。

目次

第1章 終末期医療の最前線―苦悩する医師たち
第2章 小さな命を抱きしめて―悩み抜き、輝きを模索する
第3章 過酷な難病ALSと向き合う―それぞれの選択
第4章 「人生の最終章」をどう描くか―識者に聞く
第5章 ドヤの街、山谷で旅立つ―ここが人生の終着駅
第6章 救える命、救えない命―様々な「格差」
第7章 がんで逝く、がんを生きる―残された時を家族とともに
第8章 人生の最後に結び合う絆―感謝と別れがひとつになるとき
終章 幸せな最期、それを支える医療―対談=鎌田實・上野千鶴子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

31
2012年刊。積極的な治療のすべがなくなったとき、高齢で食事が食べられなくなったとき、どんな治療や処置を望み、残された時間をどう生き抜くのか。介護、難病、がん治療の現場を訪ねた一冊。 終末期医療の議論は医療の現場でも活発化。現場で患者の状態を見ながら丁寧に作業することを求めているため、ガイドラインはあえて曖昧に。 人の命は死で終わらず、残された者の人生に大きく影響する。死はマイナスな面だけでなく、和解や許しをもたらすプラスの面も持っている。『犠牲』などで死と向き合ってきた柳田邦男氏の言葉が重く響きます。2019/05/21

ほじゅどー

15
★★★10年前の本であるが、終末期医療をめぐる医師と家族の戸惑いと混迷はあまり変わらないと思われる。患者本人が意思表示出来なくなった時、残された家族が延命処置についてどう考えるか。2017/06/30

piro

6
再読。終末医療のあり方を問いかける一冊。いかに生き、いかに死ぬのか…自分の余命が知らされた時にきちんと考え抜く事ができるのか不安になります。「尊厳死」は必要だと思いますが、それが主流になってしまうと、生きたいと思う人が「生きたい」と言いづらくなってしまう恐れがある。必要なのは明確な基準なんかではなく、医師と患者と家族がきちんとコミュニケーションをとって結論を出す事なのだと感じました。医師、看護師など、一人でも多くの医療関係者に読んでもらいたい一冊です。2017/07/31

積読本消化中

4
子どもが亡くなる話はダメだ。(T_T)2013/12/05

yuko

4
「生きられない病気です」と宣言され生まれてきた子に、悩みながらも積極的な治療を望み、奇跡のような命を繋ぎとめた母。徹底して情報を集め、悩み抜き、悪性脳腫瘍を患うわが子に放射線などの積極的治療を施さず、緩和ケアを選んだ両親。妻に余命を告げられず、自責の念に苛まれる夫。 何が正しいのか、何が幸せかは、誰にもわからない。それでも、輝き続けた命の重さの記録がここにあります。終末期医療の在り方、人間の尊厳とは何かを考えさせられます。  2012/07/26

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