新潮文庫<br> 前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録

電子版価格
¥869
  • 電子版あり

新潮文庫
前へ!―東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 467p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101219349
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0195

出版社内容情報

自衛隊、警察、国交省、建設業者、内閣危機管理センター、DMAT――大震災の最前線で苦闘した名もなき人々の感動のドラマ。

大震災の夜、漆黒の闇を走り回り、救命部隊のルートを切り啓いた国交省チームと民間建設業者たち。曇ったマスクを投げ捨て、原発への放水に挑んだ自衛隊員。爆発した原発の傍らで住民の避難誘導を続けた警察官。医療器具を抱えて自主的に被災地へ飛び込んだDMAT(災害派遣医療チーム)……地震発生直後から「前へ!」と突き進んだ名もなき人々の、壮絶にして感動溢れるドラマ。

内容説明

大震災の夜、漆黒の闇を走り回り、救命部隊のルートを切り啓いた国交省チームと民間建設業者たち。曇ったマスクを投げ捨て、原発への放水に挑んだ自衛隊員。爆発した原発の傍らで住民の避難誘導を続けた警察官。医療器具を抱えて自主的に被災地へ飛び込んだDMAT(災害派遣医療チーム)…地震発生直後から「前へ!」と突き進んだ、名もなき人々の壮絶にして感動溢れるドラマ。

目次

第1章 福島第1原発を冷やせ!兵士たちの知られざる戦争(陸上自衛隊・中央即応集団(CRF)
同・中央特殊武器防護隊(中特防)
同・各師団化学科部隊
同・第1ヘリコプター団
自衛隊・航空基地消防隊)
第2章 救命への道路を啓け!ガレキを排除し橋を守った、男と女(国土交通省・東北地方整備局;地元の建設・土木業者)
第3章 省庁の壁を越え、命を救った者たち(内閣危機管理センター;自衛隊部隊;警視庁機動隊;災害派遣医療チーム「DMAT」)

著者等紹介

麻生幾[アソウイク]
1960(昭和35)年、大阪府生れ。作家。内外の事件をテーマにしたノンフィクションを執筆した後、リアル・ノベル(小説)を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

330
大震災のドキュメンタリー。綿密な面接調査に基づいて構成されているようだ。想像してみれば分かることなのかも知れないが、例えば原発への放水作業は、比喩ではなく、まさに命がけだった。現場の人たちも、後方で指揮する人たちもまた。本書を読んで痛切に感じたことは、震災の支援活動、復興支援、そしてなによりも原発の水素爆発に向かう自衛隊の涙ぐましいまでの努力と力だ。東電は全く責任を感じてさえいないようだし、官邸はこれまた全くの無能ぶりを晒すばかり。「前へ!」それは死地に向かう覚悟で発せられた号令にほかならなかった。2016/02/29

yoshida

178
東日本大震災から5年。私は今も福島県で生きています。この作品を読んで震災の数日間、原発事故による「この世の終わり」を予感した毎日を思い出した。そして「この世の終わり」を回避する為、実に多くの名もなき人々の壮絶な戦いがあった事を改めて思いしる。あえて印象に残った事を3点記す。1つは日本を動かす官僚機構の優秀さ。次に官・民共に人命を救う為に前に進む気概。最後に杜撰な東京電力、菅首相及び海江田万里経産大臣の混乱。東京電力の恐るべき無責任さ。現地の内情を知らない海江田大臣の姿は先の大戦の大本営を思い出した。2016/03/27

おしゃべりメガネ

141
読んでいて‘震え’が止まりませんでした。もちろん、感動してという意味でが大半ですが、「役人」の上から目線の勝手すぎる指示に怒りを覚え、電力会社のずさんな対応には、ひたすら残念なキモチにさせられてしまいました。そんな過酷な状況下においても、決して臆することなく『前へ!』と進み続けた自衛隊、警察、国交省、DMATほかのまさしく「無名戦士」達の壮絶すぎる復旧録でした。個人的には国交省チームが瓦礫をどかしながら、道路開通作業の際、とある理由で進めなくなり一時中断した場面が鮮烈でした。平和な日常に改めて感謝です。2014/09/18

いつでも母さん

121
読友さんのレビューに誘われて・・嗚呼、悔しいのだが私はこの本への感想を文字にする語彙を持ち合わせていない。ただ、あの日を忘れるはずは無い日本人でいたい。この本を読んでそう強く、強く思った。2016/04/10

積読亭くま吉(●´(エ)`●)

108
【辛口毒舌御容赦】ノンフィクションとしてはどうなのか?と思う。主観的過ぎるきらいがある。本書刊行時期「大震災からわずか5ヶ月」のため致し方無いのかもしれないが「ルポの体を装ってはいるが」と感じてしまう。せっかくの丹念な取材が勿体ない。だが、そうなって仕舞うのも、人の情なのだろう。当時、日本中が打ちのめされ、自分の無力に憤っていた。東東北を何とか救いたかった。本書に出てくる戦士達には、ただただ頭が下がる。度々嗚咽させられ、幾度となく同じ箇所を辿った。有事の時こそ、その人本来の人間性は顕著になるのであろう→2016/03/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7963894
  • ご注意事項