出版社内容情報
これは、怒れる神の鉄槌なのか。伝説の地、アララト山で、ノアの方舟調査隊隊員が次々と壮絶な最期を遂げる。背筋も凍る事態に直面したのは、あらゆる知識をその頭蓋に収めた天才学者、一石豊。一石はカメラマン・森園アリスと共にこの連続死の謎に挑み、同時に方舟の真実を解き明かしてゆく。気鋭の推理小説作家が構築した、美しくも壮大なミステリ大伽藍。『アールダーの方舟』改題。
周木 律[シュウキ リツ]
著・文・その他
内容説明
これは、怒れる神の鉄槌なのか。伝説の地、アララト山で、ノアの方舟調査隊隊員が次々と壮絶な最期を遂げる。背筋も凍る事態に直面したのは、あらゆる知識をその頭蓋に収めた天才学者、一石豊。一石はカメラマン・森園アリスと共にこの連続死の謎に挑み、同時に方舟の真実を解き明かしてゆく。気鋭の推理小説作家が構築した、美しくも壮大なミステリ大伽藍。
著者等紹介
周木律[シュウキリツ]
某国立大学建築学科卒業。2013(平成25)年、『眼球堂の殺人―The Book』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さばかん
39
いやもうこれもう新書で出したらいいんじゃないかっていうレベルの知識本ですな。 古代史ミステリとは恐れ入りました。 しかも本格。 とんでもない才能だこれ。 って言うかこの作品はもうフィクションとリアルの境目が全然分からん。 まぁミステリの部分がフィクションなのは当然として、古代史の部分がね……。 いやーしかし、一石の話は面白かった。 周木律の未来には、愉しみしかない。2019/02/24
coco夏ko10角
21
アララト山でノアの方舟調査隊員が殺されていって…古代史ミステリー。宗教論がメインだったような。事件にもからむんだろうと読んではいたけどさすがにちょっと宗教談義の比重が大きいかな。2020/03/23
マッちゃま
21
面白かったか?そうでなかったか?本書を読んでる途中なら間違いなく後者でした。ほぼ読了寸前まで後者でした(苦笑)古代文明、キリスト教やイスラム教…あまり得意ではない知識の薀蓄に心が折れそうでした。この蘊蓄は必要か?何度も思い、もはや京極堂ワールド編かよ的な古代史と宗教論。まだ京極堂は舞台が日本だから馴染めたトコも有ったけどアララト山てて何処にあんねんなポン助の僕。まあ〜これも僕の知識不足から来るコトなので、ひたすら読み進めました。ラスト寸前で「ウホッ⁉︎」となる展開に救われた様な気がします。2019/06/09
てっちゃん
14
ノアの方舟の調査に向かったアララト山の頂上付近で、連続殺人が起きるというある種のクローズドサークルもの。犯人そのものは割と早い段階で想像はつくけど、そこがポイントではなかった。宗教、特にイスラム教に関してはさっぱり知識がないため犯人の動機にあまり感情移入は出来なかったけど、限られた人数と逃げ場のない吹雪の山頂という場所のサスペンスはなかなか。それとこういう天才肌の探偵は個人的には好み。次作の「死者の雨」を続けて読むことにする。2018/11/11
鳩羽
12
ノアの箱舟調査のために組まれたチームに、記録係のカメラマンとして参加することになったアリス。しかしアララト山登山中に悪天候に見舞われ、さらに密室としか思えない状況で殺人事件が起こる。アリスは、同じ日本人で博学な数学者の一石と時間についての考察を進めるが、そこにさらなる事件が起こる。…雪山遭難中の状況で起こる殺人事件、そして歴史宗教の謎に挑む、広大な知識を予感させるミステリ。『竜の柩』みたいなトンデモ系につっきったものを期待してたが、そこまでではなく、ほどほどに歴史でミステリといった感じだった。2018/10/22