新潮文庫
僕とぼく―佐世保事件で妹を奪われた兄と弟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101214627
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

新聞記者の長男、次男として生まれた「僕」と「ぼく」。妹の怜美も加わり家族は幸せに包まれていた。母が病魔に倒れ、妹が殺されるまでは――。2004年6月に佐世保で発生した小六女児同級生殺害事件。加害者は11歳。少年法すら適用されず罪は問えない。やり場のない怒りを抱え葛藤する家族。だが時と共に少しずつ、ゆっくりと、普通に生きようと歩み出す。犯罪被害者の再生を綴った感動の記録。

内容説明

新聞記者の長男、次男として生まれた「僕」と「ぼく」。妹の怜美も加わり家族は幸せに包まれていた。母が病に倒れ、妹が殺されるまでは―。2004年6月に佐世保で発生した小六女児同級生殺害事件。加害者は11歳。少年法すら適用されず罪は問えない。やり場のない怒りを抱え葛藤する家族。だが時と共に少しずつ、ゆっくりと、普通に生きようと歩み出す。犯罪被害者の再生を綴った感動の記録。

目次

アイドル誕生さっちゃんが家にやってきた
彦星になりそこねたぼく
ふたりのデートは真夜中のドクターマリオ
事件発生!オッパイが行方不明
大丈夫さいつだってなるようになっていくんだ
センチメンタルな旅東京ディズニーランド
暗い家。オトナは誰もわかってくれない
泣き虫は卒業。待合室の少年ジャンプ
逃げろ、全速力で。新しい人生を始めるんだ
友だち兄妹怜美とぼく〔ほか〕

著者等紹介

川名壮志[カワナソウジ]
1975(昭和50)年、長野県生れ。2001(平成13)年、早稲田大学卒業後、毎日新聞社に入社。初任地の長崎県佐世保支局で小六女児同級生殺害事件に遭遇する。被害者の父親は直属の上司である同支局長だった。後年事件の取材を重ね『謝るなら、いつでもおいで』『僕とぼく』などを記す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

007 kazu

29
佐世保小学生女児殺害事件の被害者の兄2人。2人のその後の人生も含めた半生を描く手記。序盤、幼い立場から見た癌の母親が衰弱し、亡くす様子は胸に迫る。が、その後、2人に追い打ちかけるように襲い掛かった悲劇は異次元のものだった。読み易さとは相反し、読者にもし彼らの同級生だったら、学校教師だったら、親だたら、そんなifを突き付けられ続ける。歳の離れた妹をさっちゃんと呼ぶ長兄の「僕」に怜美(さとみ)と呼ぶ次兄の「ぼく」。悲報に接し号泣する「僕」と感情を抑え周りに動揺を悟られないようにする「ぼく」。(続く)2022/02/26

ガブリエル

7
「謝るなら、いつでもおいで」の著者による、佐世保女児殺害事件の被害者家族の兄「僕」と弟「ぼく」の目線で描かれた彼らの葛藤と再生の記録。中学の先生が「ぼく」に事件の一報を知らせるやり方がありえない杜撰さ。ひどい学校だ。事件の時に周りの大人が彼を精神的に支えてあげられなかったのが残念だけど、その彼が紆余曲折を経てやっと信頼できる人を得たことに心底ホッとする。どんな事件にも被害者と加害者そしてその双方の家族がいて、彼らの誰もがその後の人生を狂わされているということに思いを及ぼす一助になる作品でした。

kiki

7
生きていくって辛い事ばかりだけど、想像を絶する程の悲しい出来事が、次々とこの家族に襲い掛かる。病死してしまったお母さん、そして殺されてしまった少女、2人はどんな気持ちで天国から残された家族をみているのかな?何故被害者家族ばかりこんな辛い思いをしなくちゃいけないのかな。この本を、大人になった加害者少女が読んでいてくれることを願います。2021/10/18

無理矢理読書会@半田建設

7
自分の記憶の中にも微かに残っている佐世保自動殺害事件被害者のその後を描いた本です。何と言っても小6の女の子が同級生を殺害した事実が衝撃なのですが、父親は心が崩壊していきます。殺された女の子には二人の兄がいるのですが、長男は家族が崩壊していく現実から逃避し、次男は父親を励まし何とか元の家族の雰囲気に戻そうとします。然し、次男は精神的に病んでしまいます。最後には長男が結婚をし、父親に孫を抱かせると父親が元の姿を取り戻していきます。最後まで読み通すと、生命誕生の地から、人の死の哀しさを見せつけられた本でした。2021/05/24

もけうに

5
佐世保事件というより、被害者の兄2人の人生が縷々綴られているだけ。兄弟だが性格は正反対。兄は事件当時佐世保にいなかったせいか、母の死の方が人生に与えた影響は大きそう。息子達の視点から見ると、父親の印象が大分変る。被害者と最も距離が近く、年齢も低く繊細な性格の弟が一番人生を狂わされている感。「普通」に戻ることは出来ないが、新たに歩み出すことは出来る。最初は現実感が無く、次第に哀しみに飲まれ、ゆっくりと「良い意味で」被害者のことを忘れていく。良い思い出、元気な頃を思い出せるようになる。喪の行程。2024/11/11

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