新潮文庫
“映画の見方”がわかる本 ブレードランナーの未来世紀

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  • サイズ 文庫判/ページ数 423p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101211428
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C0174

内容説明

この本は“映画の見方”を変えた!『ブレードランナー』や『未来世紀ブラジル』、『ロボコップ』に『ターミネーター』…今や第一線で活躍する有名監督による80年代の傑作が、保守的で能天気なアメリカに背を向けて描いたものとは、一体何だったのか―。膨大な資料や監督自身の言葉を手がかりに、作品の真の意味を鮮やかに読み解き、時代背景や人々の思考まで浮き彫りにする、映画評論の金字塔。

目次

第1章 デヴィッド・クローネンバーグ『ビデオドローム』メディア・セックス革命
第2章 ジョー・ダンテ『グレムリン』テレビの国から来たアナーキスト
第3章 ジェームズ・キャメロン『ターミネーター』猛き聖母に捧ぐ
第4章 テリー・ギリアム『未来世紀ブラジル』1984年のドン・キホーテ
第5章 オリヴァー・ストーン『プラトーン』Lovely Fuckin’ War!
第6章 デヴィッド・リンチ『ブルーベルベット』スモール・タウンの乱歩
第7章 ポール・ヴァーホーヴェン『ロボコップ』パッション・オブ・アンチ・クライスト
第8章 リドリー・スコット『ブレードランナー』ポストモダンの荒野の決闘者

著者等紹介

町山智浩[マチヤマトモヒロ]
1962(昭和37)年、東京生れ。早稲田大学法学部卒。宝島社にて『おたくの本』『裸の自衛隊』『いまどきの神サマ』『映画宝島』などを企画編集。洋泉社にて「映画秘宝」を創刊。’97年にアメリカへ移住、現在オークランド在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

100
80年代にカルト的ヒットを飛ばし、後世の映画にも影響を与えた映画を当時の社会情勢や監督の生い立ちも交えて解説。主に紹介されている映画で観たのは、たった二本のみ。しかも他の映画についても縦横無尽に語られるので観たい映画が増えるわ、増える(笑)不遇時代の監督を支えたのには妻の影あり。個人的にトラウマ的な映画が印象的なリンチ監督はアメリカの江戸川乱歩的存在だったのか・・・。しかし、ヴァイオレンス描写で有名なSF作家ハーラン・エリスン氏のハリウッドへの大クレーマーぶりに最初は驚きつつもどこか、腑に落ちたり。2018/01/05

海猫

96
7本の映画を解説した映画評論本。1980年代の作品群ではあるが、当時のアメリカ映画界ではアウトサイダーだった「映画作家」をチョイス。なので作品論ではあるけれど、映画作家論としての性質を併せ持つ一冊。私としては特に響いたのは「ロボコップ」を扱った章。ヴァーホーヴェン監督作品は異常な暴力性が凄まじく、オランダ時代に撮った作品や「グレート・ウォリアーズ」など説明を読んでいるだけでドキツさにくらくらする。「ブレードランナー」も改めて読み解く文章を読むとまた見たくなった。もちろん他の5作に関する文章も面白く読んだ。2020/07/23

アキ

72
町山氏の映画評論は、過去の映画へのオマージュや原作との世界観の違い、同時代の政治や時代背景、生活やファッションまで幅広い分野でアメリカという国の一面を炙りだす。ブレードランナーでは、80年代のポストモダン、40年代のフィルム・ノワール、ヤン・ファンエイクの絵画の凸面鏡まで指摘し飽きることがない。レプリカントに記憶を植え付けることができるという設定が、人間という存在をとたんに不安定にさせる。なぜなら記憶とは単に過去の出来事ではなく「自分とは何者であるか」という認識そのものだからだ。本質はレプリカントという⇒2019/10/03

ムッネニーク

67
61冊目『〈映画の見方〉がわかる本 ブレードランナーの未来世紀』(町山智浩 著、2017年11月、新潮社) 映画評論家の町山智浩が解説してくれる、80年代の名作8本。それぞれの作品の監督たちの半生も紹介してくれているが、そのいずれもがかなり衝撃的。偉大な映画監督は1日にして成らずということか。 『ヴィデオドローム』の解説は大変ありがたい。この映画は本当に難しかった。 〈表現すべき自己などない「本当の自分」などと言い続ける私たちはみんな、レイチェルと同じ、自分が人間だと夢見ているだけのレプリカントなのだ。〉2021/07/09

Vakira

61
町山さんの映画紹介は自分のノーチェックの作品を知りその情報源と、かなりディープなしかし見たくなるような解説がうまいと思う。紹介された映画は機会があったら見てみたい。今回この本は全て自分が見ていた作品。それも全て僕の大好きな監督の作品だ。デビッド・クローネンバーグ、ジェームス・キャメロン、テリー・ギリアム、オリバー・ストーン、デビッド・リンチ、ポール・ヴァーフォーベン、リドリー・スコット。超嬉しい。大好きな作品を再回想してまたまた楽しい。関連雑学情報がまた楽しい。知らなかった作品をまた知る。嬉し~ 2017/11/14

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