出版社内容情報
女性刑事が命を絶った。彼女を死に追いつめたのは、伊豆倉陽一。問題を起こし続ける不良警官だ。そして、陽一の父、伊豆倉知憲は警察庁長官の座を約束されたエリートだった。愚直なまでに正義を貫く相馬美貴警視と、非合法な手段を辞さぬ“ドッグ・メーカー”黒滝誠治警部補。ふたりは監察として日本警察最大の禁忌に足を踏み入れてゆく。父と息子の血塗られた絆を描く、傑作警察小説。
内容説明
女性刑事が命を絶った。彼女を死に追いつめたのは、伊豆倉陽一。問題を起こし続ける不良警官だ。そして、陽一の父、伊豆倉知憲は警察庁長官の座を約束されたエリートだった。愚直なまでに正義を貫く相馬美貴警視と、非合法な手段を辞さぬ“ドッグ・メーカー”黒滝誠治警部補。ふたりは監察として日本警察最大の禁忌に足を踏み入れてゆく―。父と息子の血塗られた絆を描く、傑作警察小説。
著者等紹介
深町秋生[フカマチアキオ]
1975(昭和50)年、山形県生れ。2004(平成16)年『果てしなき渇き』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、’05年に作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
304
力量のある作家のシリーズ物なので、筆力頼りでも一定以上の面白さは担保されており、実際に読んでいる最中はぐっと引き込まれもしたが、一旦、本を閉じて冷静になると、メインの事件自体がかなりしょうもない。警察の偉い人に、規格外の馬鹿息子がいたというだけの話。白幡が前面に出てきたことで、黒滝の存在感もかなり薄れてしまい、冒頭で自己紹介的に、ドッグメーカーたる所以を見せるものの、それ以降は、その設定がほとんど活かされなかった。前作がなかなか規模感も大きく、凝った作りであっただけに、このスケールダウンはちょっと残念。2022/05/18
いつでも母さん
163
待っていたのよ黒滝誠治!前作のストーリーは忘れているけれど、黒滝は忘れられない。美貴や白幡、勿論もう一人井筒もだ。今回は次期警察庁長官の座を約束されている伊豆倉のバカ息子の顛末。だがそこには伊豆倉家族の闇が孕んで、公安との駆け引きだった。インパクトは前作に及ばない感じもするが(もっとハラハラドキドキだったような気がする)そこは深町秋生だもの、やっぱり一気に読まされる。次回はもっと派手にお願いしたい。井筒の出番も増やしてね(笑)2022/05/24
タイ子
96
前作に次いで面白い!警察内部のゴミどもの所業はムカついたけど、それ以上に不良警官・黒滝、上司の相馬美貴の監察官としての矜持を全うする姿にスカッとする。あぶない刑事じゃないんだからピストルを撃ちまくるってどうよ。今回は警察庁No.2の父親をかさに着て何でも許されると大きな勘違いをしている公安の息子がやりたい放題なので、ここは監察がお灸をすえようと。何せ次期警察庁長官の父親に忖度する警察関係者を敵に回す黒滝たちは命を張りながらの証拠集め。息子の笑えるほどの悪行三昧。こんなヤツが警察官?!しっかりお仕置きを!2022/08/06
ねりわさび
89
警視庁黒滝誠治シリーズ第2章。「血塗られた一族」のサブタイトル通り警視庁内部に侵食している家族化した権力構造、それを私物化する大物、それらに揺り動かされる飼い犬たち、それに歯向かうドッグこと黒滝たち人事一課を交えてリズミカルに物語が紡がれていく。ハードボイルド小説なのですが哲学的なテーゼを感じました。面白かったですね。2023/10/09
ずっきん
89
黒滝、愛してるぅー!人の秘密を覗かずにいられない変態嗜好に加えて嗜虐趣味。善悪清濁併せ持つドS監察官。キャラは立ったとの判断なのか、前作のようなヒリヒリハラハラは抑え気味で、公安との真っ向勝負がスピーディーに展開。警察エンタメ部分が際立ってるけど、実は立派な社会派スリラーだと思う。『警官の道』に収録されてた短編のように、物語にきっちり内包されてるとこが好き。さあ、機は熟した。そろそろ深町全部載せみたいな太いのぶちかましてくださいな。ドン・ウィンズロウに迫ってくれるのは、深町氏だと密かに期待してるのだ。2022/05/28