新潮文庫<br> 熊野まんだら街道

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新潮文庫
熊野まんだら街道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 538p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101209234
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

内容説明

聖なる冥府、熊野。その深く険しい山谷は、天皇や公家が救いを求め、名も無き衆生が浄土を目指して歩いた道である。「浄不浄、貴賤、男女を問わず」包み込む、熊野大権現の懐に抱かれる再生の旅である。西行も、南方熊楠も、斎藤茂吉も歩いたその道を、堺から高野山を経て、熊野三社をめぐり白浜に至るまで、全百五十八話の多彩なエピソードで綴る、現代版・熊野古道完全ガイド。

目次

1 泉州から紀州まで(はじまりは堺;家康の墓;小栗街道;ルソンの壷;松の木の話 ほか)
2 熊野路を往く(藤白坂から湯浅へ;文左衛門出世;天下の栖角;施無畏寺;醤油発祥の町 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

41
熊野古道を歩く旅に連れていった。538頁には熊野を巡る158篇の逸話が収められている。和歌山在住の著者の本領発揮か、内容は紀行文を中心に民話から伝承、幕末の仇討話、熊野が生んだ天才、南方熊楠まで多岐にわたる。五日間かけて歩いた中辺路の項では、山里に伝わる“恋の作法”として、藁すべを二本、向こうからやってくる若者の前に置く。若者が娘の恋を了解すれば、路上の二本の藁を拾い上げて一つに結ぶ。娘からの恋のメッセージは何とも爽やかな風習である。盛りだくさんのこうした話を収集し、遺してくれた著者の努力に頭が下がる。2024/11/18

meow3

10
NHK大河ドラマの後にその町のことを紹介するアレみたいな紀行文。その土地の歴史や風物食べ物など、観光地でない普通の町でも丁寧に丁寧に紹介してくれるので実際旅しているようではあるのだが、数が多すぎて逆に覚えられない。。。モグラ水道の話がお気に入り。那智の黒あめ、これぞ正しい使い方!2019/10/26

ロバくん

1
車で和歌山に遊びに行ったことがありました。そのとき、どこに行くにも距離の割に時間がかかると感じ、それ以来足を運んでいません。 この本のいいところは、ひとつのエピソードが短い(主に3ページ)こと。このため少しあいた時間に手にして読んでいました。また読むとなかなか面白い。歴史のある熊野、町名などの由来、陽気で生命力溢れるひとびと。 そして、車でも時間がかかってしまう理由。 158のエピソードが500ページ強に収めらていて、「よくぞここまで」という量と内容でした。 地図でエピソードの場所が分かるのもよかった。2016/12/25

韓信

1
紀州在住の著者が和泉からの紀伊路と熊野にまつわる歴史・人物・自然・産物・風俗・遺跡を愛情たっぷりに綴る熊野風土記。高野山や熊野三山、根来衆に雑賀党、道成寺説話、南方熊楠、有田みかんといったメジャーどころから、大坂の陣で死んだ家康の墓があるとされる南宗寺、戦国から江戸時代にかけて一向宗の自治都市として独立を保った願泉寺、草文や小石のやりとりで意思疎通する熊野の恋の作法、井伊直弼を大老に担ぎ上げ幕府の実権を握ろうとした野心家水野忠央、熊楠も憑かれた熊野のダル神、トンガ丸の冒険等々、ニッチながら興味深い話も多い2015/07/22

AR読書記録

0
著者の紀州愛に満ちた1冊.その意味では,このタイトルはちょっぴり間違っている.これを読んでいるともちろん和歌山に行きたくなる,んだけど,和歌山だけを特別に素晴らしいところと思うわけではなくて,各県,どこもこういう逸話・歴史は溢れているんだろうなと思う.いろんな県で(そして県というくくりにとらわれないでも),郷土愛に満ちた博聞強記の人物が,こういうの書いてほしいな.2012/08/24

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