新潮文庫<br> 月まで三キロ

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新潮文庫
月まで三キロ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101207629
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。

内容説明

「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。

著者等紹介

伊与原新[イヨハラシン]
1972(昭和47)年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010(平成22)年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

751
伊与原 新は初読。本書には6つの短篇を収録する。どれもとってもいい。そして、いいけどせつない。そこがまたいい。伊予原 新はかなり異色の経歴で、地球惑星科学を専攻する研究者の道から作家になった。だからだろうが、これらの6篇はいずれも広義の地学(天文学を含む)の知識が用いられ、それが物語の核になり、同時に特質にもなっている。そうなのだが、実は伊予原の最良の部分は人間、すなわち登場人物の造型にこそある。みんなそろいもそろって暖かく、ひたむきでもあり、そしてやっぱりどこかせつない。いい小説群だ。お薦め!2025/03/25

stobe1904

412
【ミステリテイストの心がなごむ短編集】全6篇の短編から構成されているが、ふとした謎とその解明を通じたホッコリ心がなごむ人間ドラマが癒やしを与えてくれる作品だった。各作品に織り込まれた科学的な知識もイヤミがなく、ストーリーに深みや厚みを添えていることに新鮮味を感じる。『エイリアンの食堂』と『山を刻む』がお気に入りかな?初読の作家だったが、心が疲れた時に手に取りたい作家となった。★★★★★2025/05/29

海燕

353
理学系専攻で博士課程まで修了されている著者の短編集。専門知識が筋立てに密接にからんでくるのかと思えばそうではなく、むしろ導入として理科の話を用いる感じで、それが奏功しているようだ。読みやすい反面、物足りなく感じる部分もある。どれも温かく、進む先に希望を見出だせるような6編。好みは表題の「月まで三キロ」と「星六花」。2021/07/27

mae.dat

336
科学が解き明かし重ねて来た現象や知識と、人の活動や心理、観念の様なものとの融合。融合というか、対比でしょうかね。これが見事に作品の特色となっていますね。これは、新潮社の担当さんの助言が契機になっていたとか。担当さんナイスです。人生に行き詰まり気味の人達が、新しい人と触れ合う事で新たな側面に気付かされてって言う引き。皆んなその後に幸あって欲しいけど、どうなったのかなぁ。少し心配な人も居るけどな。ゾワゾワする。『天王寺ハイエイタス』の哲おっちゃんみたいな人が近くに居たら困るけど、格好良いね。いや、そうかなぁ。2022/11/06

Kanonlicht

323
4編ほど読んだところで、天体や気象、地質の話が多いなと思い、著者経歴を見て納得(地球惑星科学がどんな学問なのかよくわかってないけど)。ただ、バリバリ理系の話かというとそうでもなく、どの話も人生の低迷期にある主人公が、一つの出会いや出来事をきっかけに新たな道を歩みだすヒューマンドラマという共通点がある。どれもハズレはないけれど、とくに「エイリアンの食堂」「山を刻む」が好き。2023/09/17

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