出版社内容情報
階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原(あわら)温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり――。女の生き様を描く傑作サスペンス。
内容説明
階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり―。女の生き様を描く傑作サスペンス。
著者等紹介
花房観音[ハナブサカンノン]
1971(昭和46)年、兵庫県生れ。京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010(平成22)年に「花祀り」で団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。現在も京都でバスガイドを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんぶん
22
【図書館】花房観音のサスペンス、良く出来てるお話しだと思う。最後の最後に捻りもあるしね。殺人をして、逃亡生活をする女性の話、ちょっと「福田和子」の世界が頭を過るが・・・観音らしく「性描写」もあるが、そこそこで終わらせている点もグッド。ガイド職らしく、いろんな景色や食べ物のガイドもある、そっちでも腕を振るっている。2時間サスペンスみたいだ、という意見もあるが、そういうストーリーでも良くないか、コンパクトに纏めた起承転結に溢れた作品である。ブス顔を整形で美人に、しかも閉経間近、セックス好き、観音そのもの(笑)2024/11/09
みこ
19
内縁の男を殺し、顔と名前を変え、娘を残し女は福井に逃げる。主人公の弱いようで強く強いようで弱い人間性が終章の娘のパートでより鮮明に解析される。彼女が福井で深くかかわるのが、旅館のオーナー、コンパニオン事務所の社長、ストリッパー、年下の先輩の4人だが、感謝の気持ちと情の深さが必ずしも比例しない人間関係の複雑性も面白い。露骨な性描写が少なからずあるので一般紙の書評などで紹介しずらいのかもしれないが、もう少し日の目を浴びて称賛されても良い作品に思える。2024/04/08
スリカータ
15
サスペンス小説だが、芦原の美味しい食べ物や美しい風景が味わえる。逃亡生活のスリリングさの中に、人との関わりが丁寧に描かれていて、主人公がどこまで自己開示をすれば良いのかと葛藤する。終盤はどんでん返しがあり、また初めから読み返して腑に落ちた。主人公を含めた女性たちが逞しくてしたたかなのに比べて、男性がなんともだらしなく不甲斐ない。残された娘はどうなるのだろう。ひとりで強く生きて行けるだろうか。含みのある終わり方に、想像を巡らせた。2024/08/25
まめの助
3
★★★☆☆愛人として娘を育てた女の逃亡劇。ずっと受け身で生きて来た女が自分の意思で生き直し始める。グルメあり、人間関係のゴタゴタありで二時間サスペンスよう。人間は弱いけど、守りたいものがあると強い。2025/06/07
伊達千蔵
3
花房先生2作目読了 二時間サスペンスドラマ的な感じですいすい読んでしまいましたw ラストは「あー、そーいうことにねぇ」とちょっといがいな展開にw 「母は強し」と2025/03/30
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- 和書
- 消防昇任試験1000題