内容説明
1ヘクタールの水田を夫婦二人で耕して、秋の収穫80俵。肥料代など差し引くと、手取りはたかだかン10万。おまけに聞こえてくる声は「米は作るなミカンもやめろ。日本の農業、過保護だぞ」…まったく、やってられないよ。でも農業は、ひとの命を支える仕事。それをつぶしてなるものか。四季折々の村の暮らし、農業の実情をユーモアたっぷりに描く、都会人、消費者へのメッセージ。
目次
1 れんげの花が消えた
2 牛肉食いたし、アメりカ憎し
3 アパートと若衆宿
4 百姓は少数派。でも、土がある
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sanchai
2
1980年代の中頃、農家出身の僕は東京の大学で国際関係論を勉強していて、農業を営む父と激論をやった。その頃の父は本書の著者とほぼ同世代。当時の父の言わんとしたのはこういうことなのかと改めてわかった気がする。百姓の矜持が、軽妙な語り口からもひしひしと伝わってくる。とてもいい本、読み継がれるべき本だと思う。「記録なければ現実なし」――身に染みる言葉である。2018/08/25
カバラン
0
農村・漁村の現場からの情報発信である。中山間地域づくり推進や限界集落問題解決への一助となりそうな本のようにも思う。都会から一方的な見方では思い込みが強すぎ解決策は歪むだろう。2014/06/27
ペンギンに気をつけろ
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★★★★Bカ〇 約30年前に書かれたものではあるが、南日本、北日本の違いはあれ、同じ農業している私には当時の農政など思い起こしながら読んだ。2013/08/25
yamakujira
0
九州で農業を営む著者が綴る日常雑記。日々の悩みから日本の農政を憂う。現実の農家の人が語るから説得力もある。 (★★★☆☆)