新潮文庫
トワイライト・シャッフル

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101192284
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

海辺の街で、生きる居場所を探す男と女。不倫の逢瀬、思いがけない告白、秘密のアルバイト。人生の苦みと輝きを切りとる13篇。房総半島の海辺にある小さな街で生きる居場所を探し立ちつくす男と女。元海女、異国の女、新築に独り暮らす主婦、孤独なジャズピアニスト。離婚後に癌を発症した女は自分で自分を取り戻す覚悟を決め、ヌードモデルのアルバイトを始めた郵便局の女は、夜の街を疾走する……。しがらみ、未練、思うようにならない人生。それでも人には、一瞬の輝きが訪れる。珠玉としか言いようのない13篇。

乙川 優三郎[オトカワ ユウザブロウ]

内容説明

房総半島の海辺にある小さな街で生きる場所を探し、立ちつくす男と女。元海女、異国の女、新築に独り暮らす主婦、孤独なジャズピアニスト。離婚後に癌を発症した女は自分で自分を取り戻す覚悟を決め、ヌードモデルのアルバイトを始めた郵便局の女は、夜の街を疾走する…。しがらみ、未練、思うようにならない人生。それでも人には、一瞬の輝きが訪れる。珠玉としか言いようのない13篇。

著者等紹介

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953(昭和28)年、東京生れ。千葉県立国府台高校卒。’96(平成8)年にオール讀物新人賞、’97年に時代小説大賞、2001年に『五年の梅』で山本周五郎賞、’02年に『生きる』で直木賞、’04年に『武家用心集』で中山義秀文学賞を受賞。’12年に現代小説に転向、’13年に『脊梁山脈』で大佛次郎賞、’16年に『太陽は気を失う』で芸術選奨をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

167
『生きる』が素晴らしい時代小説だった乙川さん…この現代小説は房総半島に関わる人々の短編集で玉石混交な13編…少ないページ数ゆえ「描き足りてないなぁ」と感じるものや、主人公が鼻持ちならないタイプで共感できないものが含まれていたが、総じて中高年の悲哀や微かな希望が漂う雰囲気は悪くなかった。中でも『私のために生まれた街』と『イン・ザ・ムーンライト』は真面目に生きてきた人の不安や喜びが伝わって来て、スゥッと胸に落ちる感じだった。ちなみに、作風は違うのに何故だか80年代に一世風靡した片岡義男さんの作品を思い出した。2019/05/21

新地学@児童書病発動中

119
房総半島にある海辺の街で懸命に生きる人々を描く連作。ジャズやカクテルなど都会的な小道具が使われているが、底に流れているものは、作者の時代小説と同じだと思う。生きることのやるせなさと、一生懸命に生きている人たちへの深い共感である。読書メのユーザーだったら、「ビア・ジン・コーク」が自分のことのように読めるだろう。失踪した夫を家で待ちながら、八千冊の文庫本で自分を支える女性が出てくる。「佳い本は、彼女を抱き寄せて温かい海のように優しかった」乙川さんが活字による救いを深く信じていることが分かって、嬉しくなった。2017/01/02

紫 綺

100
単行本にて読了。小粋なジャズを文字にしたような短編集。2017/10/05

mii22.

72
房総半島を舞台とした、味わい深い13の小作品。海、ホテル、お酒、音楽、男と女、恋..お洒落なキーワードがちりばめられてはいるけれど、どれも思うようにいかないほろ苦い人生を描きほのかな潮の香りと哀愁が漂う。各々の短篇の終わりが閉じられず、未来に向けて開かれているところが余韻を残す。余白の先に生きていく道筋がしっかり見え明日に繋がっていくところに心強さと共感が得られる。お気に入りは「佳い本は彼女を抱き寄せて、温かい海のように優しかった。」というお酒をを片手に本を読みふける女性の話「ビア・ジン・コーク」。2020/06/19

アッシュ姉

65
大人だ。静かな波音とジャズが似合う、落ち着いた大人の雰囲気。寛げるソファで好きなお酒を片手にゆっくり浸りたい小説だ。洒落たタイトルも素敵。最初はとっつきにくい感じがしたが、読むほどに心地よくなる文章で新鮮だった。先の見えない不安や孤独、生きていくことの辛さが深く沁みるが、思うようにならない人生にも輝くときは訪れるという希望がみえて、背筋がスッと伸びる思いがした。さらりとした芯の強い女性が印象的な大人の苦い恋も良かったが、読書の楽しさを随所に感じられた「ビア・ジン・コーク」と「私のために生まれた街」が好き。2017/08/21

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