出版社内容情報
「男の子を意のままに操る自己中心少女から弟を救わなきゃ!」。『阿修羅ガール』をついに更新、舞城王太郎の新たなる代表作。
すべてを分かち合う仲が良すぎ?な香緒里と友徳の姉弟。夫の浮気と家出のせいで、沈み込みがちな母・由起子。その張本人である父・和志は愛人・佐々木花とのんびり暮らしている。葛藤や矛盾を抱えながらもバランスを保っていた彼らの世界を、友徳のガールフレンド・三輪あかりが揺さぶりはじめて――。あなた自身の「物語」っていったい何? 優しくて逞しい、ネオ青春×家族小説。
内容説明
すべてを分かち合う仲が良すぎ?な香緒里と友徳の姉弟。夫の浮気と家出のせいで、沈み込みがちな母・由起子。その張本人である父・和志は愛人・佐々木花とのんびり暮らしている。葛藤や矛盾を抱えながらもバランスを保っていた彼らの世界を、友徳のガールフレンド・三輪あかりが揺さぶりはじめて―。あなた自身の「物語」っていったい何?優しくて逞しい、ネオ青春×家族小説。
著者等紹介
舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973(昭和48)年、福井県生れ。2001(平成13)年、『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー。’03年、『阿修羅ガール』で三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
78
めっちゃ良かった!マイジョー最高ー!いつも舞城さんの作品の根底には愛がある。舞城さんの作品を読むのは7作目。香緒里と友徳は仲良しの姉弟。父は浮気し愛人の花と暮らし、母は沈みがち。そんな広谷家のことを香緒里視点で語られていく。舞城節健在で脳内にダイレクトに言葉が降り注ぐ!この脳内ダダ漏れな感じでダーッと語られるのが心地いい。香緒里と友徳の関係が素敵。大きくなっても一緒のお布団で眠れるってすごい。2人の本音でのぶつかり合いとか最高!登場人物全てが愛しくなる。既読の舞城さんの作品の中でもかなり大好き♡2021/03/18
masa
78
実のところ、マンネリは偉大だ。陳腐であること、退屈であることは人生の真理だ。おはよう・ごちそうさま・ただいま・ありがとう・おやすみ。その繰り返しだけで構成された人生は何より贅沢で豊潤で愛おしい。一見すると安っぽくてバカみたいにも思えるそれが、簡単には手に入らないから、ときに思い込み、美化し、理想と現実の隙間をそれっぽい切なさで埋めてみたりする。世界はいつだって、いい感じに冷たい。恋人や家族ですら知ってるつもりになってただけの、何も知らない他人なのだと気づかせてくれる。人間はみんな違う。だから、物語になる。2018/12/10
hit4papa
63
ジャンルを一言で表すなら家族小説です。マイジョーにしては至って普通の物語。フツー過ぎて却って戸惑ってしまいました。父親が愛人と出奔した家庭の、姉弟の関係を中心にストーリーが展開します。弟は、生来よりタチの悪い女(つまりビッチ)を引き寄せる磁石(マグネット)を持っている男子、という設定。だいたいビッチマグネットというタイトルは、作品のテーマなり世界観なりを表していないんですよね。如何にもな家族小説っぽいクライマックスに、何か読み落としがあったのか不安にすら駆られてしまいました。道に迷ってしまったよ・・・2020/03/23
さおり
57
初めての舞城さん。福井出身作家さんです。頭ん中で考えてるどうでもいいあれこれを全部文字におこしちゃったみたいな文章に、慣れるまではダメだーって感じだったんだけど、後半になったらそれなりに楽しくなりました。他も読みたいかと言うと・・・。2014/11/10
とら
45
文庫で再読。以前読んだ時より内容を理解した自信がある。そして多分今回の方が面白く読めたとも思う。何故なら以前読んだ時は”ビッチ”と言う言葉すらもしっくりこないお年頃だったからだ。まあどこをとって”ビッチ”とするのか、みたいな議論をこの作品でもしていたが、確かにそれも人それぞれ境界線は違うと思う。で、結局自分の「物語」とは何か…と言う話にいつの間にか移行しているのだが、本当に毎回舞城には参る…全く関係無い話題からそれっぽい話題に変化し続けるのだ。純文学”っぽい”。しっかり香緒里の人生も「物語」になっていた。2015/02/13
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