新潮文庫<br> スープ・オペラ

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新潮文庫
スープ・オペラ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 505p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101184531
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ルイ。独身。35歳。女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。一人残されたルイの家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。初老だけどモテモテのトニーさんと、年下の気弱な康介。唯一の共通点はスープ好き。一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。そして叔母さんの恋の行方は?温かくキュートで少しだけ辛口の物語。

著者等紹介

阿川佐和子[アガワサワコ]
1953(昭和28)年東京生れ。慶應義塾大学卒。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞を、『ウメ子』で坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

48
育ててくれた叔母との二人暮らしから、還暦間近で恋に落ちた叔母が家を出て、代わりのように入ってきた男性二人。1人は66歳の放浪画家、もう1人は30歳の元編集者。見ず知らずに近い男性との一軒家での共同生活?不安だし怖いと思うのだけれど、みごとに相性バッチリの3人。一緒に料理をしたり後片付けをする場面など、実にほのぼの。人との関係って、紡いだ時間や血の関係に関係なく、濃い間柄になったり、忘れられない人になるのだと思わせる。「曖昧」というのが苦手だったのに、それもいいのかな。2020/02/14

酔拳2

44
阿川さん、好きなんですよねー。相手を不快にさせない技術を持ってらっしゃる。美人だし。あんなにテレビ出てるのに本も書くんだー、というのも好き。男2人に女1人というドリカム編成の一つ屋根の下。楽しそう。出会った時に最初に欠点申告ってのはいいね。この3人に学生時代からの女友達や、元奥さんやら、肉屋やら、色んな人が絡んで、また面白い。鶏ガラスープがすごく美味しそうに登場する。スープご飯作ってみようかなあ。2人だと上手くいかないけど、3人だと落ち着くってことあるよね。2021/09/30

siro

41
じんわり幸せな気分になる物語でした。スパッとした結末じゃないのが良い。食べ物が美味しそうなのもまた良い。読んでいる最中はそれでトニーさんの関係は?康介とはどうなるの?なんで気を揉んでいたのに、いつの間にかこれで良いじゃないかと思えてくる。人との出逢いや繋がりに感謝したくなるお話でした。私も大切にしていこう。2013/10/10

ユメ

36
現実ではまずありえないだろうルイとトニーさんと康介の奇妙な共同生活が、ひどく心地よく感じられた。ひとつは、この三角形の均衡がいつか崩れることがルイにも私にもわかっているからだ。刹那的な時間の甘やかさが胸を満たす。そしてもうひとつは、三人がスープが好きだという点で結ばれているから。毎日温かなスープを仲よく味わう三人を見ていると、私も心がほかほかしてくる。自分がこの共同生活を送ってみたいかと問われれば首を傾げてしまう。けれど、恋人や友人という既存の言葉に定義されない、ただ大切な人という三人の関係性は羨ましい。2018/07/02

Atsushi

33
女優にして名エッセイストの阿川さんは小説もうまかった。35歳の独身女性が二人の男性と始めた共同生活。親子や夫婦ではないけれど、かけがえのない人との出会いがあるようだ。映画のキャッチコピー「きちんとごはんを作ること。だれかと一緒に食べること」には思わず納得。2019/06/03

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