内容説明
関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
104
読了。長い!やっと読んだ〜っ!というのが正直な感想。でも面白い!前巻冒頭で家康は関ヶ原で死す!引き継ぐは家康に瓜二つの影武者・世良田二郎三郎元信。前巻冒頭から怒濤の展開で、戦後処理も怒濤の展開!島左近は生きていた!これだけでも戦国時代好きには堪らない展開なのに二郎三郎とタッグを組む!前巻冒頭が天下分け目の関ヶ原の戦いだったので中巻はやや緩やか。中巻は家康(二郎三郎)率いる、左近、甲斐の六郎、風魔衆VS将軍秀忠率いる柳生宗矩と柳生忍軍の暗躍(忍者ウォーズ)。著者の膨大な資料を精査してのリアルif感が面白い。2017/02/11
sayan
76
その役をいつでも投げ捨てることができる人、そうではない人。いささか単純化し過ぎだが、その両極端に位置する人々が演じる群像劇は、この中巻でますます魅力を増す。漂白民が演じるその国の中枢、それに振り回されるエスタブリッシュメント、この配置を見ていると「バカ殿様」のドタバタ劇を見ているよう。ところが、漂白民演じる徳川家康は全くバカ殿様ではない。それどころか、史実にはない新しい世界を創り出そうとしている。その過程は、1巻600ページを超えるが追体験を通じて気が付けば下巻を残すのみとなった。どう完結するか楽しみだ。2018/12/06
財布にジャック
75
この中巻では、二郎三郎(家康)と秀忠、風魔と柳生、そして柳生兵庫助と柳生宗矩という戦いの構図が浮き彫りになりました。表立って兵を挙げて戦う訳ではなく、歴史の裏側に隠れている戦いだからこそ、秘密を覗いているような気分にさせてくれて、楽しさが倍増します。ただ、影武者であることがバレそうでドキドキするような場面が全くないのは不自然ではないのかなぁと、ちょっと不満です。2013/04/01
saga
64
駿府の城構えを進める二郎三郎。もはやこの巻では彼の名字を呼ぶことはなくなった。もう本物か影武者か、どちらでも良いくらいの存在感があるのだ。将軍・秀忠と柳生宗矩の暗殺計画を見事にかわす二郎三郎軍団だからこそ、さらに秀忠の怨みが増幅し、緊張感が高まっていく。計略により駿府に残置された形になった柳生忍びの殲滅作戦は、柳生の道統を継ぐ兵庫助による厳しく悲しいものだった。六郎とおふうの間に子ができた。青蛙の藤左と二郎三郎に瓜二つの伴天連・ソテーロの登場。最後は後陽成天皇弑逆の危機が出来し、下巻に続く。2021/11/30
またおやぢ
59
すごいなこの展開。沢山の登場人物が丹念に生き生きと書き分けられているのは凄い!この巻は、柳生忍を兵庫助が始末する件が圧巻。さて下巻が楽しみですな。2014/05/23